シャンソンVマジックやデンソーアイリスで活躍し、女子日本代表でもキャリアを重ねた中川聴乃(なかがわ・あきの)さんが“バスケットボール初心者”へ、知ってもらいたい用語やポジション、プレーを解説。さっそく覚えて友達、彼氏、彼女とアリーナへ行こう!
あの選手の役割は? ポジション紹介
①ポイントガード(PG)
「1番」と言われるポジションで、わかりやすく言うと司令塔です。コート上の監督としてボールを運びながら、周りをうまく活かす役割を担います。最近は得点が取れるポイントガードも多いですけど、それ以上にまずは周りを活かすことが求められます。外でボールを回すことが多いので小柄な選手が多く、千葉ジェッツの富樫(勇樹)選手や、秋田ノーザンハピネッツの安藤(誓哉)選手は特にポイントガードっぽい選手ですね、2人とも得点力が高い選手ですけど(笑)。あとはシーホース三河の柏木(真介)選手や、橋本(竜馬)選手も典型的なポイントガードです。
②シューティングガード(SG)
3ポイントシュートで得点を狙う選手で、「2番」と呼ばれます。シューターではありますが、外からのシュートを基本としながらも1対1で中に仕掛けて得点を取りに行くこともあります。外でポイントガードとボールを回しつつ、いいポジションで待ってパスが来たらシュートを狙う。Bリーグでは、川崎ブレイブサンダースの辻(直人)選手が特に有名なシューターですね。
③スモールフォワード(SF)
花形のポジションで、チームのエースが務めることが多いです。アウトサイドとインサイド両方ができるオールラウンダーで、ボールを持ったらどんどんゴールに向かっていきます。運動神経がいい選手が多い印象があって、やっている選手はうらやましいですね。私自身、ずっとこの「3番」をやりたくて実際に起用していただいた時期もあったんですけど、ケガがあったり身長が高いのもあったりして、「4番」(パワーフォワード)でのプレーが多かったんです(苦笑)。栃木ブレックスの古川(孝敏)選手やシーホース三河の比江島(慎)選手が典型的な「3番」だと思います。比江島選手は1番から3番まで全部できますけど。
④パワーフォワード(PF)
スモールフォワードと少し似ていて、アウトサイドとインサイドのどちらもできます。ミドルレンジを基本的なポジションとして、自分から動いて周りを動かしていくプレーが求められます。相手選手にスクリーン(相手の進路をふさぎ、味方が自由に動けるように助けるプレー)に行って、味方をフリーにするスクリナーの役割を担うことも多いですね。あとはハイポストかローポストでボールを受けて、5番(センター)の選手にパスを送ったり、その位置から自分でシュートを狙ったり。栃木ブレックスの竹内公輔選手が4番を任されることが多く、双子の弟の竹内譲次(アルバルク東京)選手も3番を基本としながら、4番をやることがありますね。
⑤センター(C)
ゴール下の“守護神”です。体が大きくてフィジカルが強い選手がこの「5番」を務めます。ゴールに近いポジションで、確率の高いシュートを決めたり、リバウンドを取ったりします。Bリーグでは川崎ブレイブサンダースの(ニック)ファジーカス選手が活躍していて、日本人選手では同じ川崎の永吉(佑也)選手、三遠ネオフェニックスの太田(敦也)選手がセンターらしいセンターかなと思います。