島根は“秘密兵器”寒竹隼人の活躍に期待、広島は佐古HCの戦術眼に注目

 今シーズンのB2リーグは西地区が三つ巴の激戦となったが、島根スサノオマジックが21連勝を含む計51勝でリーグ全体の最高勝率をマーク。プレーオフのセミファイナルでは同地区2位の広島ドラゴンフライズを迎え撃つ。

 島根は開幕前に寒竹隼人の大ケガというアクシデントに見舞われたが、山本エドワードを筆頭に層の厚いガード陣が高い3ポイント成功率を誇り、ジョシュ・デービスら外国籍選手はインサイドを支配し続けた。終盤には寒竹が復帰を果たし、万全の態勢で今季の最終章に臨む。

 広島は熊本ヴォルターズと最終節まで激戦を繰り広げた末に、最後のイスを勝ち取った。日本代表強化指定選手にB2から唯一選ばれた鵤誠司ら伸び盛りの若手を、朝山正悟山田大治といった元日本代表選手が支える。NBA経験者のキャメロン・リドリーが早々にケガで戦列を離れたが、代役として補強したアジーズ・エンダイを含む外国籍選手3人は安定した活躍を見せた。

 今季の対戦は島根の4勝2敗だが、4月の対戦では島根のホームで広島が勝利した。互いの手の内をわかっている中、島根は広島戦に一度も出ていない寒竹が“秘密兵器”になる。ただ、現役時代に幾多の栄光を手にした佐古賢一ヘッドコーチの、勝負どころを見極める戦術眼は不気味でならない。

文=吉川哲彦

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