5月14日にB.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2016-17のクォーターファイナル第2戦がトッケイセキュリティ平塚総合体育館で行われ、川崎ブレイブサンダースが第1戦に続き、サンロッカーズ渋谷を98-82で撃破。アルバルク東京とのセミファイナルに駒を進めた。
前日の第1戦では3点リードで迎えた最後の10分間に相手を突き放した川崎だが、この日は「最高の立ちあがり」(北卓也ヘッドコーチ)の第1クォーターで大量13点をリード。その後も終始リードを譲らず、安定した戦いで勝ちきり、昨季NBL王者の貫禄を見せつけた。
川崎はB1得点王のニック・ファジーカスをはじめ、辻直人、ライアン・スパングラーといったスコアラーをそろえるなどリーグ屈指の攻撃力を誇る。そんな中、CSクォーターファイナルでは篠山竜青がオフェンスをけん引し、川崎の攻撃をワンランク引きあげた。
篠山は第1戦でチーム最多の21得点を挙げて初戦の勝利に貢献すると、第2戦でもファジーカスに次ぐ18得点の活躍。第4クォーターだけで3ポイント2本を含む10得点を挙げ、残り1分50秒に沈めた3ポイントシュートは、後半に追いあげを見せたSR渋谷に引導を渡す一撃となった。
試合後、篠山は「前半は良いディフェンスからトランジションで得点を重ねることができた」と振り返り、イージーショットを確実に決めて主導権を握った序盤の戦いぶりをポイントに挙げた。篠山自身も相手タイムアウト直後の試合開始5分21秒に長谷川技のスティールからファーストブレイクで得点をマーク。また、「(SR渋谷の後半の粘りに対し)我慢して戦い、引き離すことができた」と、第4クォーターでの3ポイント2本などチームに流れを引き寄せるプレーを連発した。
クォーターファイナルの2試合で22本中16本(72.7%)と驚異的なシュート成功率を記録。「だいぶキレています(笑)」と自画自賛するも、「大舞台で実力を発揮できるメンバーがそろっている」と、北HCの下で長年同じメンバーで戦い、多くの修羅場を経験したチームの完成度の高さを強調した。
レギュラーシーズン最終節のSR渋谷戦から4試合連続の2ケタ得点。元々はスピードやディフェンス力の高さに定評があった篠山だが、オフェンス面でもそのポテンシャルをいかんなく発揮し、文字どおりゲームを支配した。
セミファイナルではホーム、とどろきアリーナにA東京を迎え撃つ。ここ一番で完全に“一皮むけた”キャプテンがその「キレ」を持続できれば、Bリーグ初代チャンピオンに向けて川崎の優位は動かないだろう。
文=山口晋平