Bリーグ最初のオフシーズンが終了。新天地を求めた選手やチームに残留した選手だけでなく、Bリーグで新たなキャリアを歩む選手たちもいる。今回はライターの吉川哲彦氏に独自の目線から注目選手をピックアップしてもらった。
■遠藤祐亮(栃木ブレックス)
Bリーグ以前のトップリーグにはなかった「ベストディフェンダー賞」の初代受賞者。昨季リーグ最少失点(1試合平均69.8失点)の栃木において遠藤の貢献度は非常に高く、同ポジションの選手が相次いで退団した中で遠藤が残留した意味は極めて大きい。古川孝敏(現琉球ゴールデンキングス)らが抜けた分、今季は得点面の向上も期待されるところ。何より、昨季王者の一員としてのプライドは遠藤のさらなる成長を促すに違いない。
■馬場雄大(アルバルク東京)
外国籍選手も含め今季初めてBリーグでプレーする選手の中で、最も注目を浴びているのは間違いなく馬場だろう。現役大学生(筑波大学4年)ながら、高い身体能力を活かしたダイナミックなプレーで日本代表でも主力として活躍。一度見ればその躍動感に目を奪われる逸材だ。卒業まで半年以上を残してプロの世界に飛びこんだ、あくなき向上心の持ち主でもある。近い将来の海外挑戦も示唆しており、今季のうちに見ておくことをおすすめしたい。
■ハシーム・サビート(横浜ビー・コルセアーズ)
Bリーグ以前の歴史をひもといても、221センチというサイズは規格外。NBAドラフト全体2位指名というのも、過去日本でプレーしたNBA経験者の中で最も高い指名順位だ。NBAでは目立った活躍はしていないが、サイズのわりに俊敏性があるため、日本ではその高さを存分に活かせるだろう。首の皮一枚でB1に残留した横浜も、サビートの活躍次第では一気にチャンピオンシップ進出を狙えるチームにステップアップするはずだ。
■並里成(滋賀レイクスターズ)
リーグ全体の最下位から一気に巻き返してB1残留を決めた滋賀。シーズン途中に加入した並里がその原動力であることは言うまでもない。2年契約の2年目にあたる今季は、もちろん開幕から先頭に立ってチームを引っ張る。ヘッドコーチは代わったが、メンバーはほぼ全員が残留。チームメートと阿吽の呼吸を見せ、シーズン序盤から“レイクス旋風”を巻き起こせるか。
■佐藤公威(島根スサノオマジック)
島根の思いきった戦力刷新の中でも、佐藤公威の加入は特にインパクト大。新潟アルビレックスBBで強いキャプテンシーを発揮した佐藤は、島根でも主将を任される。かつてのチームメートである鈴木裕紀ヘッドコーチの戦術眼を浸透させる役割も担うだろう。開幕戦がアウェイでの古巣、新潟戦という数奇な巡り合わせは、この上ない発奮材料。開幕から攻守にフル回転してくれそうだ。
文=吉川哲彦