2017.09.27

「ファウルゲームがなくなる!?」新ルール適用はトップリーグ開幕から

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 9月25日、日本バスケットボール協会(JBA)で行われたJBA公認プロフェッショナルレフェリー誕生の記者会見では、アンスポーツマンライク・ファウル適用について、確認事項の説明が行われた。

 これは8月15日、国際バスケットボール連盟(FIBA)から通達があったもので、男女トップリーグ(Bリーグ、Wリーグ)には9月15日に説明がされたという。今回のFIBAの決定に関してJBA審判部 宇田川貴生部長は「今回の通達はFIBAが目指す“クリーンバスケットボール”を徹底させるもの」と説明。新たに速攻を止めるだけを目的にしたファウルはアンスポーツマンライク・ファウルを適応されることとなった。加えて、ゲームの終盤に行われるファウルゲームについても、アンスポーツマンライク・ファウルの対象となる。

 国内でのルール適応はB1、B2、B3リーグ、Wリーグの新シーズン開幕から。天皇杯・皇后杯に関しては11月25日、26日に全国8会場で行われる3次ラウンドより。その他のカテゴリーは来年4月以降、平成30年度からとなっている。

 今回のFIBAの決定がケガの恐れがある危険なファウルを撲滅させるための施策であれば推奨すべきではあるが、ファウルゲームについては多くのチームが用いており、今後のゲーム運営に変化が出ることも予想される。ファウルゲームのとらえ方は各々違うものではあるが、例えば試合の終盤で点差が開いた場合、負けているチームが戦意を喪失させるケースも考えられる。また、アンスポーツマンライク・ファウルか、それともノーマルファウルの判断もシーズン当初は戸惑う場面も予想され、どのように運用されるかは注視する必要があるだろう。

文=入江美紀雄


(JBAから発表された資料を原文のまま掲載、赤字が変更個所)

アンスポーツマンライク・ファウル適用における重要な確認事項
【確認事項】
アンスポーツマンライク・ファウルについては下記(1)~(5)のクライテリアに該当した場合、試合中すべての時間帯(試合の終盤また得点差に関係なく)で適用し、アクション(起きた現象)のみで判断する。

【解 釈】
いわゆるタクティカル・ファウル(戦術的なファウル)だけでなく、試合の終盤に行われていた、いわゆるファウル・ゲームアンスポーツマンライク・ファウルの対象となる可能性がある。

アンスポーツマンライク・ファウル(UF)

(1)ボールに対するプレイではなく、且つ、正当なバスケットボールのプレイとは認められないと審判が判断したプレイ
①ユニフォームを掴む行為はUFとする。
②肘を過度に使うコンタクトは、相手プレイヤーに重大な負傷に繋がりかねない危険な行為であるためUF。特に、首から上の顔面・頭へ肘を使ったコンタクトは非常に危険であるためディスクォリファイング・ファウル(DQ)も判断基準とする。
③肘を激しく振り回した場合は、ノーコンタクトでもテクニカル・ファウル(TF)の対象となる。

(2)過度な接触(ハード・ファウル)と審判が判断したプレイ
①ボールにプレイしている場合でも過度な接触とみなされたファウル。
②手・腕による首から上のファウルは、選手の身を守るため危険なファウルと判断し、故意でなくてもUFとする。
③空中にいるオフェンスプレイヤーに対してディフェンスが入ってくる危険なファウル。

(3)ディフェンスプレイヤーが直接ボールにプレイせず、速攻を止めることだけを目的とした必要のないファウル、またはオフェンスの進行を妨害することを目的とした必要のないファウル(このルールはオフェンス側のプレイヤーがショットの動作に入るまで適用される)。
①ボールに直接、正当にプレイしていないケース。
②正当なバスケットボールのプレイとして認められない不要な接触。
③リーガル・ガーディング・ポジションから外れ、ボールに対してではないファウルをすること。
④リーガル・ガーディング・ポジションで正当にディフェンスしている時のイリーガルな触れ合いはノーマル・ファウル(NF)。
⑤オフェンスがボールを進めるのを止めるためのファウル。

(4)ラスト・プレイヤーの状況で、後ろからもしくは横からのファウル(ラストプレイヤーシチュエーション)
①パスミス・パスカット等があってもボールコントロールが変わっていない場合のファウルはNF。ただしボールにプレイせず正当なバスケットボールのプレイでないと審判が判断した場合はUFとする。
②速攻でのレイアップ等で、アクト・オブ・シューティングに対してのファウルはNFとする。
③ラストのディフェンスがオフェンスの前にいる状況で、抜かれた後、後ろからファウルをした場合はUFとする。

(5)第4ピリオドもしくは延長残り2分の状況で、スロー・インのボールが手から離れる前にディフェンスのファウルを取り上げた場合
①オフェンスプレイヤーにファウルは適用されない。