新アリーナで連勝デビュー! アルバルク東京が手負いの“海賊”を撃沈!

A東京は新ホームアリーナ、アリーナ立川立飛で横浜と対戦 [写真]=山口剛生

 気温18.9度とすっかり肌寒くなり、秋を通り越して冬の訪れを感じさせた10月15日、アリーナ立川立飛にて、B1リーグ第3節第2戦が行われ、アルバルク東京横浜ビー・コルセアーズと対戦。A東京は14日の試合で79-58で横浜を撃破、この日もしっかりと勝利し、新ホームアリーナの開幕節を連勝で飾りたいところだ。

[写真]=B.LEAGUE

 ティップオフは14時11分。横浜はキャプテン湊谷安玲久司朱、インサイドの軸になるジェイソン・ウォッシュバーンをケガで欠き、攻撃力に不安を抱えることから、序盤から身長221センチのセンター、ハシーム・サビ―トの高さを活かしたゾーンディフェンスを展開。A東京はそのゾーン攻略に苦しむも、相手のディフェンスの戻りが遅いと見るや、リバウンドからの速攻を重ね、第1クォーターを20-15とリードする。

[写真]=山口剛生

 第2クォーターに入ると、A東京はジャワッド・ウィリアムズを投入し、苦戦していたゾーンも攻略を始める。ウィリアムズはハイポスト(ゴール下に書いてある長方形のフリースローラインに近いエリアのこと)にポジションを取り、素早くパスを回してゾーンを揺さぶり、味方にフリーのシュートを打たせるなど攻撃のハブとしてオフェンスをけん引。ディフェンスが外に広がると見るや、自らドライブやミドルシュートを積極的に狙って、このクォーターだけで、3ポイントを含む7得点を挙げた。A東京はウィリアムズの活躍もあり、37-32と5点のリードを保ったまま前半を折り返すと、続く第3クォーターには、横浜の手薄なインサイドにボールを集め、佐藤託矢らのファウルを誘いしっかりとフリースローを沈め、着実に得点。ディフェンスにおいても、攻め手に欠く横浜に対し、マンツーマンで厳しいプレッシャーをかけ、第3クォーターをわずか6得点に抑えこみ、59-38と一気に突き放した。

[写真]=山口剛生

 24秒バイオレーション、ルーズボール、バックコートバイオレーションなどを巡る微妙なジャッジに苛立ちを隠せない横浜に対し、A東京は第4クォーターも危なげなく淡々とゲームを進め、終わってみれば82-57と、25点の大差をつけて圧勝。主力のケガに泣く横浜を全く寄せつけず、アリーナ立川立飛のホームこけら落としを見事連勝で飾った。

[写真]=山口剛生

 敗れた横浜の古田悟ヘッドコーチは「出足からゾーンディフェンスをやるつもりだったが、長く使い過ぎた。疲れた時やミスの後にブレイクで崩された」と分析。「オフェンスで単発で攻めることも多く、自分で打つというよりは打たされることが多かった。やはり70点は取れないと厳しい……」と試合を総括した。

 見事に新アリーナでのデビュー戦を連勝で飾ったA東京のルカ・パヴィチェヴィッチHCは「まず、選手はよく戦ってくれた。良い勝利だった」と冒頭に選手の労をねぎらうと、「横浜が長い時間ゾーンをやってくると予想していたが、しっかりと対応していた。まず、ディフェンスをがんばって、ファストブレイクでポイントを稼ぎたいと思っていた」と試合の流れの中で、明確な狙いを持って臨んでいたと言及。そのアジャストを狙いどおりできたことに「しっかりと激しいディフェンスからボールを奪って走ることができていた」と試合で得た好感触に満足そうな笑みを浮かべた。

 相手の打ち手を予測し、しっかりと攻略しきって連勝を収めたA東京。HCの意図するゲームプランを的確に遂行することができる高い能力の選手たちがしっかりとかみ合った時、その強さはリーグの中でも有数であることを見せつけたゲームとなった。連携を深めチーム力が上がってくれば、さらに魅力的なバスケットボールを見ることができるはずだ。

文=村上成

モバイルバージョンを終了