毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第22節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。
解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ
【5】#21笹山貴哉が決めた、ブロック2枚をかわすダブルクラッチショット(栃木ブレックスvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ GAME1)
第3クォーター残り7分25秒、栃木の怒とうの追いあげを突き放そうと、#21笹山選手の4人抜きプレーが出る。ボールスクリーンを使ってディフェンスを振りきると、ヘルプに来た2人のディフェンダーの間を飛び、落ちながらシュート。バックボードを優しく使い、ネットを揺らした。ここではボールスクリーンを外側に使ったが、ゴールに向かってドライブコースを作ったところ、ドリブルの回数を減らしレイアップのステップを作ったところ、そして2人のディフェンスに怯まず、落ちながら打ったシュートにも関わらず肩を入れてボールに回転を掛け、バックボードを使ったところが素晴らしい。
【4】絵に描いたようなアリウープパスを豪快に沈めた#24ジャスティン・バーレル(栃木ブレックスvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ GAME1)
栃木は、名古屋Dのオフェンスの起点となる#21笹山選手にボールを持たせまいと高い位置からプレッシャーを掛ける。第1クォーター残り2分40秒、#21笹山選手が高い位置でハンドオフをもらう。ドライブで攻めると見せ、逆サイドで#6船生誠也選手がディフェンスにバックスクリーンを掛け、#24バーレル選手を中に走らせた。走りこんでいる#24バーレル選手に気がつくと高い位置にアリウープパス。#24バーレル選手はそのボールを、両手でダンクシュートをたたきこんだ。#21笹山選手がドライブで#32ライアン・ロシター選手を引きつけつつ、一瞬#8張本天傑選手を見ることにより、全体のディフェンスがリセットパスと感じて足が止まっている。東地区のチームに苦戦を強いられる中、こういったプレーをもっと結果に結びつけたいところだ。
【3】#6比江島慎選手の技あり1on1からのバスケットカウントレイアップ(シーホース三河vsレバンガ北海道)
#32桜木ジェイアール選手のボールスクリーンがしっかり掛かったため北海道のディフェンスはスイッチするしかない状態となり、ハイポスト近辺の狭い空間で#6比江島選手が#5ダニエル・ミラー選手と1on1。素早くフロントチェンジを2回することでディフェンスの足を止め、右にドライブしズレを作った。ここでは思いきり踏みきらずに素早く飛ぶことで、ディフェンスとのコンタクトとシュートへの余力ができた。ディフェンスは手を上げ寄って来たが、ぶつかってしまいバスケットカウント。スルスルとディフェンスをかわす中でも、こうした冷静さを持っている#6比江島選手はフィニッシュが本当に強い。
【2】ゲーム最後に打たせたい選手の一人、#73田渡修人選手が#44スコット・モリソンの決勝ゴールを演出(三遠ネオフェニックスvs琉球ゴールデンキングス GAME1)
試合終了残り8秒の場面で、#73田渡選手が3ポイントラインの外でボールをもらうと、ディフェンスがシュートを打たせないようにしっかりついてきた。左にフェイントを入れ、素早くゴールにドライブを始めるも、確率のいいレイアップをさせまいと#33アイラ・ブラウン選手がブロックショットを狙う。そこでレイアップシュートのステップからゴール下にいる#44モリソン選手へフックパスを出すと、#44モリソン選手が簡単にシュート。これが決勝ゴールとなった。どこからでも打てるスポットシューターというイメージがある#72田渡選手は、実はドライブも早い。ドライブ前の左フェイクで相手をローテーションさせ、流れの中で仕掛けた素晴らしい判断が結果を呼びこんだ。強豪との接戦を2つ取ったことは、今後のチームの成長に大きくつながる。
【1】#32池田雄一選手の、ファウルゲームの上をいくビッグプレー(横浜ビー・コルセアーズvs新潟アルビレックスBB GAME2)
4点のビハインドを背負う横浜は、#1川村卓也選手が劇的な3ポイントショットを決めて1点差に。試合終了残り4.2秒と時間がないため、ファウルゲームを強いられるが、タイムアウト後の新潟のセットプレーに対して、5秒ルールバイオレーションを取れそうなほど激しく守っていた。しかし、ここで#32池田選手がスペースを見つけてボールをもらうと、体をぶつけられながらも無理やり打ったシュートがファウルコールとともにリングに入った。新潟の選手たちは#32池田選手に駆け寄り、彼を突き飛ばすほどビッグショットを祝福。間違いなくタフショットではあるが、横浜にとってこういったファウルゲームの場面でも、何があってもシュートを打たせてはいけないという教訓を得た。