2019.03.18
毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第21節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。
解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ
【5】#6比江島慎選手が3人をかわし、キレイに決めたダブルクラッチショット(滋賀レイクスターズvsシーホース三河 GAME1)
第4クォーター残り4分30秒、トップの左側で#6比江島選手は、ボールスクリーナーが来ると1人目は的を絞らせないように4回フロントチェンジを入れて一気にドライブ。2人目のディフェンスへはボールが上がりきる前に、縫うようにフロントチェンジで割っていった。3人目のディフェンスに対しては飛びながらシュートに見せかけ、空中でボールを下げてタイミングをズラし、落ちながらレイアップシュートを決めた。#6比江島選手はいくらスカウティングされてもディフェンスの場所やタイミングを読み、プレー中に次々と発想が生まれている。最後はあっさりと得点を奪い、嗅覚とセンスを見せつけた。
【4】#34クレイグ・ブラッキンズ選手の、滞空時間の長い叩きつけるダンクシュート(富山グラウジーズvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ GAME1)
第3クォーター残り2分40秒、#21笹山貴哉が流れを一気に変えた。ショットクロックに追われる中、3ポイントシュートを決めると、直後にボールをスティールし、速攻で2対1の形を作る。ギャロップステップでシュートにいくように見せ、#34ブラッキンズ選手にノールックパス。そのままランニングステップで高く舞いあがり、ブロックショットに来た選手を物ともせずに上から叩きつけた。パス回しのテンポが良く、速攻への切り替えも早いため、ものの15秒くらいだが、8点差を13点差に広げ相手に精神的ダメージを与えることができた。
【3】#18鵤誠司選手の外国籍選手並みに頑丈な力強いドライブからのバスケットカウント(京都ハンナリーズvs栃木ブレックス GAME2)
京都のバランスいい圧倒的な得点力で一気に同点に戻され、栃木がタイムアウト。その直後、流れを変えるべく最初のオフェンスは#18鵤選手のトップでのボールスクリーンプレーを選択。スクリーンを左に使うと見せて、素早く逆にドライブを仕掛けて中に切りこんでいった。そこに立ちはだかる外国籍選手に物応じせずドライブし、ぶつかりながら浮かせたシュートはキレイにゴールへ。#18鵤選手の外国籍選手とも競れるその恵まれた体格と、培った度胸をしっかりと見せつける一発となった。
【2】#7並里成選手による縦横無尽のドライブからのダブルクラッチレイアップ(滋賀レイクスターズvsシーホース三河 GAME2)
第4クォーター残り21秒で滋賀のボール。会場の誰もが託したいと思う#7並里選手がボールを持つと、ショットクロックよりゲームクロックが短いために時間を使いきりたいところだが、#0橋本竜馬選手が前からボールにプレッシャーを掛けてきた。一度ボールスクリーンを使うもディフェンスがピッタリとついていて、なかなか組み立てることができない。しかし、ボールが床に着くと同時に超人的なクイックネスで加速し抜き去ると、#32桜木ジェイアール選手の前で飛んでレイアップシュートに持ちこみ、一度ボールを下げて降りながら放つダブルクラッチショット。会場は「ナリトコール」で最高潮に盛りあがった。その後も三河の決定的なチャンスをチーム全員で守り、延長戦に望みをつないだ。
【1】ダブルオーバータイムの試合を決める#14金丸晃輔選手のビッグショット(滋賀レイクスターズvsシーホース三河 GAME2)
次々と難しいシュートが決まる熱いゲームの中、三河は常に#14金丸選手に打たせようとシンプルなスクリーンプレーでボールを集めようとする。再延長戦の残り4分10秒、一度もらおうとするも激しいプレッシャーでボールを受けることができず。下に降りてもう一度出る時のコースは、ディフェンスがスクリーナーの下を通るか、上を通るか迷わせる角度でスクリーンを使った。ディフェンスが迷って上を選択した瞬間、少し下に動いた(フレアカット)タイミングを#0橋本選手は見逃さずパスを出し、#14金丸選手が3ポイントショット。止めに入るディフェンダーが、打った後の#14金丸選手を押してしまい、バスケットカウントの3ポイントとなった。#14金丸選手はこのシュートの前、最初のオーバータイムで食らいつく3ポイントを沈めているだけに、シュートタッチは最高の状態。このシュート力は日本で一番の武器になることを、会場に駆けつけたブースターのため息が物語っている。
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