2019.12.12
前日、サンロッカーズ渋谷に2点届かず、手痛い敗戦を喫した名古屋ダイヤモンドドルフィンズ。終盤戦に突入したこの時期、昨季に続くチャンピオンシップ進出に向けて連敗は避けなければならない。3月17日の同カード、はたして名古屋Dはどのような戦いを見せたのか。
最初のポゼッションでスティールから速攻レイアップを許し、立ちあがりは追う展開。何度か同点に追いついてはフリースローミスやターンオーバーを犯すもどかしい試合運びとなるが、残り8秒でヒルトン・アームストロングがオフェンスリバウンドを押しこんでようやく逆転し、19-17で第1クォーターを終える。
小林遥太のジャンプシュートで始まった第2クォーターは、続けてその小林がクレイグ・ブラッキンズの3ポイントをアシスト。タイムアウトで立て直したSR渋谷に点差を詰められるも、ショットクロック間際で菊池真人の3ポイントが決まると、アリーナのボルテージは一気にアップ。その空気に背中を押されたように満田丈太郎や中東泰斗がコートを疾走し、流れは名古屋Dに傾く。
一度つかんだ勢いは、43-36とリードして迎えた第3クォーターに入っても止まらない。前半だけで14本ものリバウンドをもぎ取っていたアームストロングが、このクォーターもオフェンスリバウンドでチャンスを演出。チームの武器である3ポイントもよく決まり、一時は20点差をつける。65-51で突入した第4クォーターも安藤周人が力強いアタックを見せれば、ブラッキンズはゴール下に3ポイントにと奮闘。セーフティーリードを失うことなく、88-76でリベンジを果たした。
この日のドルフィンズアリーナには3514人が集った。大観衆は名古屋Dに好プレーが飛び出せば、その度に爆発的な盛りあがりを見せた。梶山信吾ヘッドコーチは、ファンの声援がチームの支えになっていることを実感している。
「僕も選手経験があるのでわかるんですが、選手は疲れていてもあれだけの声援があると最後の力を振り絞れる。声援は力になりますし、それがあるから勝てるんじゃないかと思います」
この勝利でまず一つ踏ん張ることができたとはいえ、チャンピオンシップ進出に向けた厳しい戦いは続く。梶山HCも「『勝ったからいいや』ではなく、勝ったからこそ細かいところもしっかりやっていかないといけない」と気を引き締める。
レギュラーシーズンは残り13試合。名古屋Dがさらに成長した姿を見せるのはここからだ。
文=吉川哲彦
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