2018.01.26

身体能力を活かしたトラソリーニの逆転バスケットカウントショット『BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK』

B3リーグ大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ

毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第16節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。

解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ

【5】#33アイラ・ブラウンのドライブからの強烈なワンハンドダンク(大阪エヴェッサvs琉球ゴールデンキングス GAME1)

第3クォーター残り1分40秒、琉球のボール。#13津山尚大選手がボールスクリーンを使ってディフェンスを振りきり、シュートの動きを見せるも外で待っていた#33ブラウン選手にパスを回した。大阪のディフェンスがボールを持っている選手や飛びこむ選手を警戒して小さく守っていたところでの素早い判断。#33ブラウン選手はボールキャッチと同時に一気に加速し、ドリブル2回でディフェンスを振りきって豪快なダンクシュートを決めた。逆サイドからディフェンスのヘルプも来たが、その高さには何もできなかった。互いにディフェンスの激しさのせいか、なかなかセットプレーに持っていけないゲーム展開の中、シンプルなトップでのボールスクリーンを使うセットプレーを選択し、冷静に得点を演出した若手ポイントガードにも注目したい。

【4】#45デクスター・ピットマンのリバウンドダンク(富山グラウジーズvs島根スサノオマジック GAME1)

長身でスピードと得点感覚の優れた#11宇都直輝選手の長所を活かすセットプレー。#45ピットマン選手が上がってきてボールを貰い、パスを出しながら加速してきた#11宇都選手にハンドオフ(手渡しパス)で戻した。#11宇都選手についていたディフェンスは#45ピットマン選手の体にぶつかってしまい、#45ピットマン選手のディフェンスがブロックショットに出るしかなくなった。ブロックショットに成功したが、ヘルプに出てしまったため#45ピットマン選手を守る人がいない。そのままリバウンドに入り豪快なプットバックダンクとなった。ここではパス後に加速した#11宇都選手の動きと、ハンドオフ後すぐにオフェンスリバウンドに行ったピットマン選手の献身さから得点が生まれた。

【3】#14辻直人の意地のバスケットカウント3ポイントシュート(レバンガ北海道vs川崎ブレイブサンダース GAME1)

点差を離されそうになっては#22ニック・ファジーカス選手の得点で追いつくという展開。第4クォーター序盤の時間帯にそのファジーカス選手が出ていない中、誰が得点を取っていくかというところで#14辻選手が後半だけで15得点とチームをけん引する。試合終了残り7分50秒、選手それぞれの特徴を活かしたセットプレーがいい形で決まった。シュート力のある#9栗原貴宏選手へのスクリーンをおとりに、ドライブの早い#0藤井祐眞選手が中に切りこんだ。ディフェンスを収縮させ、外に出てきた#14辻選手に打たせる流れのある動きだったが、北海道屈指のディフェンダー、#32松島良豪選手が追いかけてくる。#14辻選手が素早く打ったシュートはネットを揺らし、勢い余った#32松島選手がぶつかってファールとなった。タレントがそろう川崎の選手が、それぞれ献身的にチームバスケットに徹している強さもうかがえる場面だった。

【2】#34ジョシュア・スミスの、どよめきがしばらく収まらないパワープレーからのダンク(京都ハンナリーズvsアルバルク東京 GAME2)

第2クォーター残り2分44秒、京都に傾いた流れを止めようと、タイムアウト後にA東京が一気にディフェンスプレッシャーを掛ける。京都は#21ブレンダン・レーン選手と#34スミス選手のミスマッチを作るためのセットプレーを使うが、なかなかボールが回らない。テンポはズレるも遅れて#34スミス選手にボールが入り、ショットクロックも減ってきた。周りにディフェンスがいないのを確認すると右で3回強くドリブルし、相手を押し飛ばしながら上からワンハンドダンクをたたきこんだ。#34スミス選手の仕掛けが素早いため、周りもヘルプに行けないほどだった。#34スミス選手は、元NBAプレーヤーのシャキール・オニール選手(元ロサンゼルス・レイカーズほか)を彷彿とさせるような規格外のパワーバスケットを見せている。

【1】#15マーク・トラソリーニの長いステップからの逆転バスケットカウントショット(レバンガ北海道vs川崎ブレイブサンダース GAME1)
第4クォーター、ファウルゲームが機能して残り24秒で北海道の攻撃。ボールスクリーンを使って#22ファジーカス選手を外へ引っ張り、彼の機動力がないところを狙って#15トラソリーニ選手がドライブを仕掛ける。#15トラソリーニ選手に勝敗を委ねられたこの采配が見事にハマった。よく見ると、外国人選手がヘルプに行けないようにペイント内で体を張ってディフェンスの動きを止めていた。押し出され外にステップを踏んでしまったように見えるが、しっかりと蹴り出しゴールの真下まで入っていってボールをすくい上げるように優しくシュートを打っている。とても器用で冷静な選手のビッグプレーにベンチは総立ちで叫んでいた。

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