2018.06.22
毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第12節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。
解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ
【5】#6馬場雄大 アルバルク東京vs栃木ブレックス GAME2
#6馬場選手がディフェンスリバウンドから1人でシュートまで持っていく「Coast to coast(海岸から海岸)」をし、バスケットカウントをやってのけた。第1クォーター残り2分20秒、リバウンドを取ると、そのままドリブルで一気に加速して栃木の選手を振りきり、オフェンスファウルを誘いに横からコースに入ってきた別の選手にぶつかりながらも、体勢をしっかりと保ちシュートを決めた。シュートは下から投げるのでなく、ボールを守りながらも上で構えるオーバーハンドで打ち、走る勢いとバックボードに当てる柔らかさの調整が難しいショット。#6馬場選手のスピードの速さと、ぶつかりながらも上半身がブレずシュートを決めきる力強さを見た。ゲームの出だしから栃木が攻守に渡りA東京を圧倒していたが、このシュートで栃木が押し返される流れとなった。
【4】#3ダニエル・オルトン シーホース三河vs新潟アルビレックスBB GAME1
#3オルトン選手の、その高さと迫力のあるリバウンドでそのままダンクシュートに持っていく「プットバック」プレー。第4クォーター残り1分32秒で三河のボール。セットプレーから#6比江島慎選手にボールを預けてポストでの1on1をするが、新潟は小さく守り、中に入れさせないように陣形を取った。攻めきらず素早くパスを回すが、8秒からのスタートでショットクロックも少なかったため、#0橋本竜馬選手が遠めの3ポイントショットを打つ形となった。そこに3ポイントライン上にいた#3オルトン選手が飛びこんで豪快な片手のダンクシュート。遠くにいるオフェンスをボックスアウトするのは難しいが、#3オルトン選手をボックスアウトしないとこんなことになってしまう。この日、驚異的な得点力を見せたチームの100点目を派手なシュートで飾った。
【3】#7篠山竜青 千葉ジェッツvs川崎ブレイブサンダース GAME2
#7篠山選手の華麗なステップバックショット。両チーム期待に応える拮抗したゲーム展開の中、第1クォーター残り4分30秒に川崎の攻撃。身長差11センチを活かした#7篠山選手がポストプレーを作る。足で相手との間合いや様子見の動きジャブステップ(ボクシングのジャブが由来)を数回して、左にステップして右にドリブルを突くが、そこでも押しこむような動きをして後ろに飛んだのでディフェンスはついていけず、キレイにディフェンスを振りきった。昨季得点王の#22ニック・ファジーカス選手に外でボールを渡し、#7篠山選手が中に入ったためディフェンスはヘルプしにくい陣形となっていることと、身長差を活かして中に押しこむのではなく、細かくシュートフェイクを入れるなどテクニックでかわし決めきる素晴らしい場面だ。
【2】#4ジェフリー・パーマー 富山グラウジーズvs横浜ビー・コルセアーズ GAME2
大接戦の第4クォーターを制した#4パーマー選手のビッグショット。残り30.4秒、横浜のボール。タイムアウトでしっかりと確認し、エースの#1川村卓也選手へスクリーン2人という動き。#1川村選手へボールが渡るが、ディフェンスが付いていてシュートが打ちにくい。2人のスクリーンのうちの1人目の#4パーマー選手がすぐに3ポイントラインに上がって来て、すかさずそこへパスを出しオープンの3ポイントシュート。ボールを見ていたディフェンスの反応が遅れ、手痛い決勝ゴールを演出してしまった。ここは無理やりシュートを打たずオープンの選手にパスが出せる#1川村選手の冷静さと、この10分間で2本の3ポイントを落としていたり、直前にあった際どいコールの中で、復帰戦を気持ちで決めきった#4パーマー選手のクラッチショットは横浜の逆襲のきっかけとなるものだ。
【1】#8多嶋朝飛 滋賀レイクスターズvsレバンガ北海道 GAME2
#8多嶋選手の強烈なブザービーター。第4クォーター残り4.9秒。相手のフリースローが2本決まり、3点ビハインドで3ポイントシュートしかない場面。#8多嶋選手が#5ダニエル・ミラー選手からボールを手渡されると、猛スピードで2人をかわし、体勢を崩しながらも3ポイントシュートを放った、キャプテンがチームを救った場面。#8多嶋選手は身長が高い選手ではないので、近くで打つために早くボールを運ぶのはいいが、ディフェンスにブロックされないように距離感を判断しながら打たなくてはならない難しいプレーだった。また、注目したいのはラストタイムアウト時。冷静にファウルゲームを仕掛け、残り4.9秒で使ったフルコートセットプレーの裏には、水野宏太ヘッドコーチを信じて北海道に戻り、一緒に作りあげてきた多嶋キャプテンにラストショットを託すという信頼関係が結果となって現れた。
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