2018.03.31
毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第7節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。
解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ
【5】#6馬場雄大 島根スサノオマジックvsアルバルク東京 GAME2
一進一退の攻防が続き第3クォーター、ここまで17得点のエース、#24田中大貴選手の負傷により苦しい展開が予想されたが、変わって入った馬場選手が一気に流れを手繰り寄せた。A東京のハーフコートオフェンスは2、3回ほどパスを回し、オンボールスクリーンに入ることが多い。そのため、ディフェンスはその対策の準備に気を取られ、ゴール下にいるヘルプディフェンスが逆サイドの動きに引き寄せられていた。ボールマンもスクリーンが来る前にベースライン側に追いこむスタンスを取っており、馬場選手はその瞬間を見逃さずベースライン側をドライブで攻めこみ、両手のダンクシュートを決めた。少し押されているようにも見えるが、それでも勢いが止まらない馬場選手の能力の高さにただ驚くばかりだ。
【4】#9折茂武彦 琉球ゴールデンキングスvsレバンガ北海道 GAME1
組織だったディフェンスに定評のある両チーム同士の対戦の中で、#9折茂選手が通算3ポイントシュート1000本を達成した瞬間。どのシュートもディフェンスのチェックが出ているほど激しく、ロースコアゲーム内容の中、この日の折茂選手の3ポイント成功は3本中3本。1本目はブレイクで思いきって決め、2本目はオープン。そして第4クォーターのオフィシャルタイムアウト後に「打つのを決めていた」かのような強気のシュートを見せ、バスケットカウントに近い形で決めきった。#9折茂選手の歴史の詰まった1本のシュートとなったが、試合数が今の半分以下の時代からの成功数とはいえ、この記録は当分抜かれることはないと思われる。このシュート成功の直後に沖縄のアナウンスと、観客も手を叩いて祝福する行動が温かく素晴らしい。
【3】#21ギャビン・エドワーズ 栃木ブレックスvs千葉ジェッツ GAME1
#21エドワーズ選手の試合を決定づける豪快なダンクシュート。相手は主力の#32ライアン・ロシター選手を欠く中、今までとは全く違った闘志で最後まで千葉に食らいつく好ゲーム。試合終了残り2分半、ゴール下を守り抜いていた#12アンドリュー・ネイミック選手がファウルアウトしてしまい、千葉はフリースローが入り5点差に広げる。その後、エドワード選手がディフェンスリバウンドを取ったが、ゲームコントロールしていた#11西村文男選手に#9遠藤祐亮選手のプレッシャーが掛かり、ボールを渡すことができなかった。そこでエドワード選手がそのままボールを運び、高い位置でプレッシャーを掛けてきた#15竹内公輔選手をインサイドアウトのドリブルで様子を見て、スピンターンで振りきって文字どおり「Coast to coast」をする。栃木はたまらずタイムアウト。点差とともに勢いを呼びこんだエドワード選手が存在感を示した。
【2】#34ハシーム・サビート・マンカ 横浜ビー・コルセアーズvs三遠ネオフェニックス GAME2
#34サビート選手のとてつもないアリウープ。ここで注目したいのは残り時間を考えてシュート数を増やしたい横浜が、リバウンド後に#1川村卓也選手がボールプッシュ(早いドリブルで進む)して三遠の選手全員に反応をさせたところ。一見何でもないところだが、うまくディフェンスを引きつけたところで#8満田丈太郎選手にパスアウト。満田選手は#0細谷将司選手にボールを飛ばし、早いテンポが生まれた。トップのエリアに動いた時に走りこんできたサビート選手を見逃さず、細谷選手が絶妙なパスを出す。211センチのモリソン選手を飛び越え片手でキャッチし、上からバスケットカウントでダンクシュートを決めた。ディフェンスはゲーム終盤にこのパスワークをされると反応しにくい。横浜の選手たちは、このようなパスワークができるといいバスケットができる、と手応えを感じ取れたようにも見えた。
【1】#7並里成 滋賀レイクスターズvs京都ハンナリーズ GAME2
いつにも増して熱量の多い滋賀と京都の試合。猛追に加え、#40ディオール・フィッシャー選手の退場で一気に勢いが京都に傾きそうになる。第4クォーター残り1分18秒、長身でありながら外のシュートを兼ね備える#32ジュリアン・マブンガ選手に、並里選手がマッチアップ。すかさず京都は、ミスマッチを突こうとマブンガ選手がインサイドに入った。対する滋賀は、20センチ程のミスマッチにパスが入れば簡単に得点を取られるという場面。並里選手は回りこんで、パスのタイミングを読んでキャッチする両手の間からスティール。一気に走る並里選手にパスが戻り、横目で追ってくるマブンガ選手を見ながらブロックショットをされないようにダブルクラッチでシュートを決めた。ミスを諦めず、客席に飛びこむほど最後まで追いかけるマブンガ選手の姿勢も素晴らしいが、ポストアップされても頭を使いそれを上回るスピードでスティールと得点を挙げる並里選手の能力に驚く。
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