2017.10.26

現役指揮官がBリーグの5大プレーを徹底解説!「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5」第4節(10月20日~22日)

北海道の新外国籍選手、グレゴリー・ウィッティントン
越谷アルファーズGM

毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第4節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。

解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ

【5】#24高橋耕陽 西宮ストークスvs滋賀レイクスターズ Game2

スピードと抜群の得点感覚を備える高橋耕陽

“シンデレラボーイ”というべきだろうが、学生時代からの#24高橋耕陽選手の活躍を知っているものは驚かないであろう。サイズがありながら、スピードと抜群の得点感覚が認められ、この日の活躍で一気にチームからの信頼を得る試合となった。第2クォーター残り4分5秒、西宮のテンポのいい2メンゲームに対して、滋賀のローテーションが勝り、#40ディオール・フィッシャー選手のブロックショットが炸裂。こぼれ玉を取った高橋選手は一気に加速し、左に行くと見せかけボールを後ろで持ち替えてレイアップシュートを決めた。ディフェンスの足が付いていけず、倒れこんでしまうのも無理ない。なぜなら戻っているディフェンスに対して、トップスピードでありながら「スピードを殺さずに方向転換」をして、しかも片手でなく左右にドリブルしながらスピードを維持できているから。スピードはスカウティングしにくい要素。スピードに乗る中でとっさにこの動作ができるのは、彼の度胸とスキルの高さがうかがえる。

【4】#7渡邊翔太 島根スサノオマジックvs琉球ゴールデンキングス Game2

新天地で活躍する渡邊翔太

実はこのドライブの直前に#7渡邊翔太選手は左からドライブをしている。身体能力の高い#33アイラ・ブラウン選手がブロックショットに来て、一度レイアップシュートが外れている。そのこぼれ球が回ってきてもう一度ドライブを仕掛け、またブロックを狙う#33ブラウン選手を今度は空中でかわしてダブルクラッチを決めた。ドライブを仕掛ける前に#40ジョシュ・スコット選手がボールスクリーンに来ているので、ディフェンスが内側を警戒してできた隙を見逃さなかった。超攻撃型コンボガードとして渡邊選手はホームに連勝を呼びこむべく積極的に仕掛け、第4クォーターの大事な時間帯にこの強気のプレーを見せつけた。

【3】#21ブレンダン・レーン 島根スサノオマジックvs琉球ゴールデンキングス Game1

プットバックダンクを披露したブレンダン・レーン

落ち着いて一本取るために緻密なセットプレーに入る。サイドに出た#7渡邊選手にゴール下から走ってピック&ロールにいくプレーで、#5山本エドワード選手が逆の3ポイントラインで一瞬にオープンとなった。山本選手が遅れてきたディフェンスをシュートフェイクで飛ばし、2人目のディフェンスが来る前に放ったシュートが外れる。飛びこんだ#21レーン選手のプットバックダンク。この瞬間、#21レーン選手は3ポイントラインでフリーになっていた。2人目のシュートチェックが#33ブラウン選手だったのを見て、誰にもボックスアウトをされていないことに気がついた。#21レーン選手の素晴らしい判断が生んだ得点だった。

【2】#33トニー・ガフニー 千葉ジェッツvs大阪エヴェッサ Game1

富樫のアシストからアリウープを決めたトニー・ガフニー

大阪の思いきりのいいシュートが次々と決まり、中心選手の一人の#21ギャビン・エドワーズ選手がファウルトラブルに悩まされ、20点差近くのビハインドからの立て直しとなった千葉。第3クォーター中盤、点差を詰めるべくアップテンポのバスケットとなった。大阪の3on2のブレイクでビッグマンにバウンドパスを出したのを見逃さず、#2富樫勇樹選手がスティール。ドリブルして#33トニー・ガフニー選手へアリウープパスを出した。すごいのはそのパスの距離とタイミング。10秒足らずの間にめまぐるしい攻守の切り替えがあった中、この判断ができる富樫選手と、常にハッスルし速攻の先頭を切って走れるガフニー選手が生みだした、絵に描いたようなビッグプレーは会場を大いに盛りあげた。

【1】#2グレゴリー・ウィッティントン 新潟アルビレックスBBvsレバンガ北海道 Game1
第4クォーター最大12点の差まで開いた劣勢の状況を#9折茂武彦選手のフリースローでジリジリと追いあげる。試合終了残り1分40秒には4点差まで追い詰めると、#2グレゴリー・ウィッティントン選手にスイッチが入る。トップでボールをもらうと、ディフェンスを一瞬で振りきり、ヘルプにきた選手の上からダンクシュートを叩きつけた。普段はディフェンスが来ると、球離れの良さで評判の選手だが、この強気のプレーでゲームの空気を一気にひっくり返した。試合終盤はやられたくないという気持ちが先行し、疲労度を忘れディフェンスの距離が近くなったり、足が動かなくなったりする。オフェンスの比重の多い新潟#54ダバンテ・ガードナー選手には厳しい場面となった。機動力がありながら献身的にパス回しでき、力強いプレーもできる。北海道の補強の成功を実感できる試合となった。

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