2017.10.12

現役指揮官がBリーグの5大プレーを徹底解説!「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5」第2節

試合終了間際の大事な局面でシュートを沈めた島根の佐藤(0番)
越谷アルファーズGM

毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第2節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。

解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ

【5】A東京#24田中大貴 アルバルク東京vs新潟アルビレックスBB Game1

しなやかな動きで相手を翻ろうする田中

A東京のホーム開幕戦で#24田中大貴選手が魅せた! A東京がセットプレーの中で、フリースローラインからウイングに出て#31ジャワッド・ウィリアムズ選手にボールスクリーンをもらう場面。ボールについているディフェンスをうまく引っ掛けて「後追いの状態」を作り、スクリーナーのディフェンスの内側を縫うように入っていく動きを見せた。ディフェンスが対応しようとした時に素早くフロントチェンジをして、しなやかなレイアップシュートに。抜かれたディフェンダーはドライブで2回もアタックされてついていけず、フラフラとよろけるようなスタンスとなった。ただディフェンスも身長があるためブロックショットに来るが、田中選手は右手で素早く打って決めている。見てほしいのはドリブルのリズム。しなやかな動きが特徴の田中選手にこういった力強い動きが加わると止められない。

【4】栃木#46生原秀将 島根スサノオマジックvs栃木ブレックス Game2

技ありシュートで得点を決めた生原

第3クォーターの終盤から島根の怒とうの追撃を、栃木#46生原秀将選手が技ありのステップバックシュートで振りきった。ここでは2メンゲームのシナリオに注目したい。#32ライアン・ロシター選手がボールを運んできて、生原選手がボールスクリーンを掛ける。ロシター選手が一度ポストに押しこむようなプレーを見せることで、島根#41ギャレット・スタツ選手にポストプレーのディフェンス意識を刷りこむ。そこでボールを急に戻してすぐに生原選手にスクリーンを掛けることでディフェンスはヘルプに遅れた。さらに内側をアタックするように見せ、ボールのバウンドとともに横へ移動。出遅れてしまった#7渡邊翔太選手はついていこうとするが、動きを急に止められ生原選手にぶつかってしまう。生原選手はファウルをもらいながら決めたが、そのプレーが偶然に見えないのは、練習の前後に約1時間の個人練習に取り組む栃木の環境がコートで表現できたからと言える。

【3】A東京#6馬場雄大 アルバルク東京vs新潟アルビレックスBB Game1

第1戦で2本のダンクを決めた馬場

大物ぶりを開幕から見せる#6馬場雄大選手の派手なダンクシーン。このシーンの前には、新潟のディフェンスがA東京#15竹内譲次選手にインサイドプレーをさせないよう、5人全員がペイントに入るほどコンパクトに守ろうとした。そこからのパスアウトを馬場選手がしっかりと3ポイントシュートを沈める。その直後のA東京のディフェンスで新潟#32池田雄一選手がダウンスクリーンを掛ける場面で、スクリーンの内側から馬場選手は脚力を活かして飛びだしスティール。このケース、シューターを見すぎてスクリーンに引っ掛かることが多い場面だが、馬場選手の読みと思いきりの良さで見事にボールを奪取。攻防で5点プラスした馬場選手のプレーだが、これほど一瞬で会場の空気を変えることができる選手は少ない。

【2】新潟#15オースティン・ダフォー アルバルク東京vs新潟アルビレックスBB Game2

新潟に白星をもたらす決勝点を記録したダフォー

40得点を挙げた大黒柱#54ダバンテ・ガードナー選手の退場により一気に劣勢に立たされた新潟。サイズの差を埋めるべく延長では2-3ゾーンを敷く。これが功を奏してA東京の動き、特にインサイドのシュートとピック&ロールでの得点が止まった。逆に新潟はオフェンスで#7五十嵐圭選手のハイピックを中心にトップからの思いきりのいい得点が増える。残り21秒で同点、新潟ボールの場面、そのままハイピックではなく一度ダフォー選手にボールを預け、五十嵐選手へのハンドオフの状態から2メンゲームが始まる。トップに出たダフォー選手は外からシュートでなく、ドライブを選択。ディフェンスの前足を狙ったカウンターの動きからのドライブにディフェンスもついていけず、これが決勝点となった。

【1】島根#0佐藤公威 島根スサノオマジックvs栃木ブレックス Game1

B1昇格の島根がホーム開幕戦で初代王者の栃木に対し、一歩も引かない戦いを見せる。第4クォーター残り38秒の場面で島根がリバウンドを取るものの、タイムアウトなどで意思統一が図りにくいタイミングでオフェンスに入った。島根はビッグマン同士のクロススクリーンからハイポストにボールを入れる。そして、#21ブレンダン・レーン選手がドライブでディフェンスを引きつけて、コーナーにいる#0佐藤公威選手にキックアウト。佐藤選手はこの場面、ディフェンスに定評のある栃木#9遠藤祐亮選手をドライブでずらし、ストップ&ジャンパーで延長に。佐藤選手の絶対負けないという気持ちが入ったシュートにホームの松江市総合体育館は大歓声に包まれた。

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