2017.11.25
駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行われたB1第2節、アルバルク東京と新潟アルビレックスBBの対戦は1勝1敗の痛み分けに終わった。この2戦で注目を集めたのが新潟のダバンテ・ガードナーだ。初戦となった10月9日の試合では35得点、翌10日に行われた第2戦では40得点、14リバウンドの“ダブルダブル”を達成した。
ガードナーの武器は132キロの体格を生かしたパワープレー。ローポストから強引と思えるステップでゴールに猛然とアタックし、得点を奪い取っていく。その一方で、16、17歳までポイントガードをしていた経験を活かして、ボール運びやドライブを器用にこなし、さらにはソフトなシュートタッチからの3ポイントシュートも見せるだけに、ディフェンスにとってこれほど厄介な選手はいないだろう。
新潟で2シーズン目を迎えるにあたり、ガードナーはある決意を持って臨んでいるという。「コートの上でリーダーシップを発揮しようと、これまで以上に強い気持ちを持って臨んでいる。昨シーズンは試合中にレフェリーと戦ってしまったりしてしまったが、そういうところはなるべく出さないようにしたい。自分が先頭を切っていいパフォーマンスを出せるように、常に心掛けているんだ」
ガードナーについて、新潟の庄司和広ヘッドコーチがそのプレーの特徴を解説してくれた。
「ダバンテはボールを預けられる選手。ローポストでボールを受けて強さを発揮するし、仮にディフェンスがダブルチームを仕掛けてきても、それでできるノーマークの選手へのアシストもうまい」
A東京はガードナーに対して、1対1で守るようにルカ・パヴィチェヴィッチHCから指示が出ていた。「1対1でとにかく守れ。ハードにタフに戦え」が戦略だった。
これについて、ガードナー本人は逆に肩透かしを食らった印象を持ったようだ。
「これまでの経験から、ダブルチームをされること自体に慣れているので、逆にそうしなかったことにびっくりしたというのは正直な感想。ただ自分としても相手がダブルチームに来る前に早めに攻めて対応していた。ハードに守られる前に、それを回避してイージーシュートに行けるようにしていたんだ。今は非常に良い状態だと思う。プレーオフ進出という目標に向けてしっかりと練習からハードにやっているので、自分としてもパフォーマンスは悪くないと思っているんだ」
来日して3シーズン目、ガードナーの存在感はリーグの中で確実に大きくなっている。しかし、40得点を挙げておきながら、ガードナーは試合終了の時点にコートにもベンチにもいなかった。第4クォーター残り1分43秒、2個目のテクニカルファウルを宣告され、退場。延長戦の末の勝利をロッカーで迎えることになってしまった。
「インターネットでスコアを見ていたので、本当にうれしかったし、もう2度と(退場)しないに心がけたい。オースティン(ダフォー)がしっかりと試合を決めてくれたことを聞いてうれしかったよ」
試合後、囲み会見を受けるガードナーに向けて、庄司HCが「取材はジェントルマンじゃないと受けられないぞ(笑)」と言葉をかけた。その言葉にはにかんで下を向き、大きな体を小さくして恐縮がっていたガードナー。貫禄十分のプレーぶりだが、実はまだ26歳。ベテランぞろいのチームにあって、若きセンターがチームを勝利に導いていく。
文=入江美紀雄
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