2017.11.02

現役指揮官がBリーグの5大プレーを徹底解説!「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5」第6節(10月27~29日)

越谷アルファーズGM

毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第6節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。

解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ

【5】#12中東泰斗 シーホース三河vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ Game1

運動能力の高い中東が外国籍選手さながらのダンクを見せた

目を疑うような叩きつけるダンクを中東選手が見せた。注目したいのは「仕掛けるタイミング」と「ドリブルの緩急」。第2クォーターは激しい点の取り合いとなり、気を抜いたら一気に離されるという緊張感ある展開に。残り6分10秒にインサイドから得点を許したが、名古屋Dは落胆する時間も作らず、素早くボールを前に飛ばした。そこにオンボールスクリーンを掛けるために味方が近づく。中東選手はオンボールスクリーンを使った「セットプレー」に入るかどうかのタイミングでゆっくりとレッグスルードリブルをし、ボールが上に上がりきる前に、スクリーンと逆に一気に加速して抜き去った。相手はスクリーンを警戒して足が止まり、タイミングをズラされ振りきられてしまった。ただのレイアップシュートに行くと思っていたので、驚いた人は多いはずだ。

【4】#6比江島慎 シーホース三河vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ Game2

比江島の技あり得点がランクイン

比江島選手の完全にディフェンスを振りきる技ありのステップ。名古屋Dが第1クォーターからシュートエリアの外でも激しいプレッシャーを掛けていたためか、この時間帯は個々のディフェンスが常にマークマンを触れる程ベッタリとマッチアップしていた。この場面、比江島選手はヘルプディフェンスが手薄なのを見て、1カウントズラしてからベースライン側を力強くドライブ。反応のいいディフェンスはコースに入り、中に行かせないよう、よろけながらも踏ん張った。そのままロールターンのステップを内側に踏んで、またディフェンスを反応させるが、最後またベースラインにターンした。3回のフェイクにはさすがにディフェンスも付いていけなかった。比江島選手は単にクイックネスだけでなく、一つ目の力強いドライブとリズムを狂わす技を兼ね備えた貴重な選手の一人だ。

【3】#6馬場雄大 アルバルク東京vs富山グラウジーズ Game2

積極的な仕掛けが生んだ馬場の得点

第4クォーターの残り2分を切り、富山が逆転への突破口を見出そうとバックコートからプレスを掛ける。フロントコートにボールを持ってきた時に時間がなく、残り5秒で馬場選手へボールが戻ってきた。そこから内側に鋭いドライブを仕掛け、ディフェンスの反応を見てロールターン。その先にいた外国籍選手を見てなのか、空中でファウルをされた後にもう一度ボールを動かし、右手でフィニッシュまで持っていく、まさにタフなショットを生みだした。ゲームの終盤にリードを守ろうと消極的になるのではなく、積極的に仕掛け力の強さとしなやかなタッチを披露する馬場選手の存在感は大きい。

【2】#3ダニエル・オルトン シーホース三河vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ Game2

速攻からダンクを決めたオルトン

第1戦同様にこの試合もシュート確率のいいハイスコアのバスケットが展開される中、バスケットカウントのアリウープが飛びだす。ここではオルトン選手がたまたま空いていたのではなく、こぼれ球を取った橋本竜馬選手がよく状況を見て作りあげた状況だ。空いたスペースにオルトン選手が走っているとついパスを出したくなるが、すぐに出さずドリブルを続け、ディフェンスの1人と駆け引きをしている。そして、オルトン選手がペイントに入ると高すぎずいいタイミングのパスを出した。オルトン選手のサイズでトランジションに参加されると、ディフェンスは対応しづらく、さらにハーフコートの強いイメージの三河に走られると精神的なダメージも大きくなる。

【1】#33アイラ・ブラウン 琉球ゴールデンキングスvs千葉ジェッツ Game1
ブラウン選手のワンハンドで叩きつける豪快なダンクで会場が盛り上がった。前半は千葉の圧倒的なオフェンスに大量リードとなり会場は少し静かに。第3クォーター残り6分20秒、津山尚大選手が1on1からの3ポイントシュートを決めて点差を詰める。さらにその直後に石崎巧選手がドライブヘルプの位置からボールをスティール。そのままボールを持っていき2対1となり、ブラウン選手にボールが渡りダンクとなった。両足踏切でボールを右手で高く挙げたこのジャンプは止めようがない。この間動いたのは5点だが、こうして点差は1ケタとなり、「この試合いける」と選手と会場が息を吹き返した瞬間だった。

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