2017.11.24

現役指揮官がBリーグの5大プレーを徹底解説!「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5」第9節(11月17~21日)

越谷アルファーズGM

毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第9節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。

解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ

【5】#15マーク・トラソリーニ アルバルク東京vsレバンガ北海道 GAME1

献身的に仲間を活かしつつ、自分でもキッチリと得点を取れる#15トランソリーニ選手の象徴となるプレー。第3クォーター残り4分50秒、A東京がバックコートから激しくボールプレッシャー。苦しんでいるボール運びを助けるため、バックコートで#15トラソリーニ選手がボールスクリーンを掛ける。#8多嶋朝飛選手がスピードを上げてドリブルで攻める。#53アレックス・カーク選手が代わりにボールにつこうとしたズレに、トラソリーニ選手が走りこんで、ヘルプに来たディフェンスの上からのダンクシュート。ここでは「ポイントガードとしてフロントコートに運べばOK」ではなく、攻める意思を見せ、#8多嶋選手が#53カーク選手の注意を引いているところに注目したい。攻め気を見せられる選手が多いほどディフェンスを守りにくくする北海道のいい例となった。

【4】#11桜井良太 アルバルク東京vsレバンガ北海道 GAME1

前半に付いた11点差を詰めるために激しいゲーム展開となり、追いつきたかったA東京を突き放す絵に描いたようなブザービーター。第3クォーター残り5秒、相手ドライブからのシュートのこぼれ玉を#11桜井良太選手が取り、そのままドリブルプッシュでハーフコートを越えた。ディフェンスは#11桜井選手のドライブのスピードに警戒し過ぎたのか、下がり過ぎに気がついて、戻って3ポイントを警戒したが既に遅く、綺麗なシュートフォームで3ポイントを決められた。前に流れながらで、打った後もディフェンスに接触しながらも決めた#11桜井選手にベンチメンバーは総立ちで駆け寄る。このシュートが第4クォーター初めのプレーへの勢いにつながったようにも見える。#11桜井選手は500試合連続出場という偉業に自ら華を添える形となった。

【3】#24広瀬健太 サンロッカーズ渋谷vs島根スサノオマジック GAME2

第2クォーター終盤5点のビハインドを詰めるきっかけとなる気迫のあるタフショット。残り3分57秒、ショットクロックは14秒からのベースラインプレー。#6ロバート・サクレ選手と#22長谷川智也選手とのツーメンゲームだったが攻めきれず、#6サクレ選手にボールが入る。ショットクロック5秒で逆サイドにいた#24広瀬選手が飛びこみながらボールをもらうが、キャッチの時にバランスを崩してしまう。体制を崩しながらもドリブルを止めずにボールを前に運び、ディフェンスに体を預けながらレイアップに持っていきバスケットカウントを奪った。ここではとっさの判断とはいえ、ショットクロックに追われる状況でディフェンスから逃げる左手のフックショットではなく、右手で丁寧にレイアップシュートを狙える判断の良さと、強じんな脚力とボディーバランスが目立った。

【2】#3伊藤達哉 京都ハンナリーズvs千葉ジェッツ GAME2

この日、驚異的なシュートパーセントを記録した両チーム。#3伊藤達哉選手が得点でチームをけん引する。千葉のブレイクに反応の早かった#33内海慎吾選手がスティールをし、京都が逆にブレイクのチャンスを作った。#3伊藤選手にボールが渡りドリブルで運ぶが、京都の3選手に対して千葉のディフェンスは4選手。セットプレーに持っていくと思いきや、インアウトドリブルからのスピンで2人の間を割って入り、ターン後にヘルプディフェンスに手を叩かれたが力強く右手でバスケットカウントを決めた。身長に関係なく2人のディフェンスを突破する度胸もすごいが、手を叩かれて一度ボールが浮いた状態になっても持ち直してシュートまでいけるハンドリング力に驚く。シーズン序盤はプレータイムの割に得点は控えめだった#3伊藤選手がこのところ攻撃型ポイントガードとなり、スティールやアシストも増え始めている。

【1】#33トニー・ガフニー 京都ハンナリーズvs千葉ジェッツ GAME1
#33ガフニー選手のキャッチと180度反対方向へのアリウープダンク。タイムアウト後はコーチの的確な指示とチームの実行力が試される。第2クォーターのオフィシャルタイムアウト後にまずは京都のオフェンスで見事にシューターをオープンにして3ポイントを決めた。千葉はすかさずシンプルなバックドアプレーを実行する。ここでは相手のディフェンスがエルボー(フリースローラインの端の辺り)エントリーをアグレッシブにディナイしてくると予想してのカウンタープレーをデザイン。#21ギャビン・エドワーズ選手がキャッチしたタイミングで#33ガフニー選手が大げさにディナイしていたディフェンスを振りきってゴールに走り、アリウーププレー。逆サイドからしっかりとヘルプにも来ているがその高さに手も足も出ない。

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