2018.07.27
毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第13節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。
解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ
【5】#32ライアン・ロシター 栃木ブレックスvsサンロッカーズ渋谷
栃木らしい速攻から#32ロシター選手が決めた両手のダンクシュート。注目はこの試合で絶好調だった#18鵤誠司選手の動き。#18鵤選手が猛スピードのドリブルで進むと、ユーロステップでディフェンスをかわすようにステップし、#55ジョシュ・ハレルソン選手のブロックショットを誘う。これがスクリーンプレーのようになり、ディフェンス2人を引きつけて#32ロシター選手にパス。そして、走りこんできた#32ロシター選手の力強いダンクシュートにつながった。会場のボルテージは最高潮になり、この後も勢いは止まらずSR渋谷は慌てて主力選手を交代席に送った。
#7並里選手が沈めた滞空時間の長いダブルクラッチショット。大接戦の第4クォーター。オフィシャルタイム後に滋賀はトレードマークでもあるゾーンディフェンスが機能し、#7並里選手がこぼれ球を拾う。すると、たった4回の力強いドリブルであっという間にシュートまで持っていった。相手ディフェンスとの身長差は23センチもあるが、自分から体を当てにいってシュートのスペースを作り、左手の腕を体の横にめいっぱい伸ばし打ったフックシュートは優しくゴールに吸いこまれた。打つタイミングも、ジャンプ後に体が落ち始めたタイミングでのシュートのため難しい。こういったシュートを試合中にできてしまう#7並里選手は素晴らしい
【3】#2ロバート・ドジャー シーホース三河vs三遠ネオフェニックス
#2ロジャー選手の試合を決定づける3ポイントショット。味方のディフェンスをひきつけるドライブから、#2ロジャー選手が3ポイントラインでボールをもらった。試合をとおしてバチバチとやりあっていた#32桜木ジェイアール選手が間合いを詰めてきた。#2ロジャー選手はドライブもうまいため、右に2回ジャブステップ(様子見のステップ)を踏んだ時に、ディフェンスが少し警戒して下がった。それを見て思いきりのいい3ポイントショットを決めた。1パターンな動きでなく、よく見ると2回目のステップで素早くシュートモーションに入っている。#2ロジャー選手は第4クォーターの中で、ずっとオフェンスもディフェンスも、9割以上球際に絡んでいた中で最高の集中力と決定力を見せた。
【2】#14岸本隆一 琉球ゴールデンキングスvs京都ハンナリーズ
#14岸本選手の勝ちを狙った逆転3ポイントショット。試合終了残り17秒、タイムアウト後に時間を使いきらずに#14岸本選手がノーマークで3ポイントを鮮やかに決めた。相手もわかっていたため、#14岸本選手には外国人選手をマーク。ここでは、琉球の見事なセットプレーが機能する。ボールを出した#0石崎巧選手が自分のマークマンに対してスクリーンを掛け、ディフェンスをスイッチさせなかったところ。さらに、スクリーンを使う直前に#14岸本選手がゆっくり歩いて、ディフェンスに「すぐ攻めてこない」という気持ちにさせ、油断させているように見えるところに注目したい。直後に逆転ショットを決められて敗戦を喫してしまうが、この場面のシュートを日本人に託し、自分らのディフェンスで勝とうという明確なチームコンセプトが見えて面白い。今後の試合で同じ境遇になった時、時間配分をどうするかも気になる。
【1】#34ジョシュア・スミス 琉球ゴールデンキングスvs京都ハンナリーズ
#34スミス選手によるディフェンスが吹っ飛ぶダンクシュート。第4クォーター残り2分11秒、フリースローが外れたものの、#34スミス選手が相手を押しこんでオフェンスリバウンドを取る。一度外に返すが、ポストでいいポジションを取っていたため再びパスをもらった。相手ディフェンスも重量級だが、#34スミス選手のパワーの前に彼を押し返すことができない。#34スミス選手はドリブルで押しこんだ後、ベースラインにスピンしてディフェンスをかわすテクニックを披露。2人のヘルプが来たが、間に合わず力強く、リングが壊れるほどの迫力を見せた。場内大ブーイングの中、2本のフリースローが落ち士気が下がりそうな瞬間に起きた、息を吹き返すビッグプレーでもある。
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