3月18日、日本バスケットボール協会は臨時評議会を開催。その後、メディアブリーフィングが行われ、会に出席した国際バスケットボール連盟(FIBA)のパトリック・バウマン事務総長が記者対応を行った。バウマン氏と言えば、日本のバスケ界の改革を進めるプロジェクト、『JAPAN 2024 TASKFORCE』のオブザーバーとして、それが実行されているかをチェックする人物だ。
バウマン氏は開口一番「(日本のバスケ界は)成功している」と柔和な表情で語った。「日本協会のメンバーは素晴らしい仕事をしていると思う。Bリーグをスタートさせ、それは成功させていると見ている。Bリーグは観客も増え、メディアに取り上げられることも以前よりも多くなった。また、三屋(裕子)会長はFIBAのセントラルボードの一員であること、さらに2023年のワールドカップの開催地の1つに日本が選ばれていること、この2点はFIBAが日本協会に信頼を置いている証左だ」と、評価した。その一方で、「(日本協会には)長年培われてきた文化が存在し、これを長い年月をかけて変えていく必要もある。今後はそれが日本協会だけでなく、各都道府県協会へ伝播していくことも大切。さらに代表チームが強くなっていることにも期待している」と、さらに改革が進んでいくことを望んだ。
また、気になる東京五輪の開催国出場枠について質問が及ぶと、「この6月にFIBAのセントラルボードが開催されるので、そこで議題に上がるだろう」と、これまでどおり、日本にそれが与えられるかどうかの言及を避けた。「男子代表については次の2試合(6月29日のオーストラリア戦、7月2日のチャイニーズ・タイペイ戦)で見極めたい。FIBAは決して日本の邪魔をしているわけではなく、サポートしたいと考えている。(出場権に関しては)成績だけではなく、様々な視点から見極めたい。その視点とは男子代表だけではなく、日本のバスケがどう発展していくかを見るもの。その結果により男子代表の強化につながるわけだ。また、女子代表はアジアのトップに位置するのだから、男子にもその実力があると考えている」と語った。
2019年、中国で開催されるFIBAワールドカップ出場に向けて、もう負けられない男子代表。東京五輪出場に関しても、本当の意味で“崖っぷち”の重要な試合になることになりそうだ。
文=入江美紀雄