4月8日、船橋アリーナでB1リーグ第27節第2戦の千葉ジェッツvsシーホース三河が行われた。昨日の第1戦では、第3クォーターに千葉が得意のトランジションオフェンスで突き放し、96-77で千葉に軍配。三河としては1月の「第93回天皇杯・第84回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」で相まみえた決勝戦に続き2連敗となり、中地区王者のプライドにかけてもこの試合は一矢報いたいところだ。
試合は金丸晃輔の連続得点、アイザック・バッツのインサイドで7-0と幸先良いスタートを切る。千葉はタイムアウトを挟んで立て直しを図ったが、開始3分間で11点差をつけられる苦しい立ちあがり。その後も金丸が13得点、桜木ジェイアールが12得点と怒とうの攻撃を見せたが、富樫勇樹に3本の3ポイントを浴びせられ、29-23で第1クォーターを終えた。
互いにオンザコート2で挑んだ第2クォーターは、なかなかシュートが決まらずロースコアの展開。三河はターンオーバーが6つと相手ディフェンスに苦戦したが、バッツの得点でつないでリードを保つ。すると、残り41秒から狩俣昌也が魅せる。ダブルチームで富樫からボールを奪うと、そのまま速攻を展開し松井啓十郎の3ポイントをアシスト。同3秒には自身も長距離砲を沈めて48-37と2ケタ点差を作って前半を終えた。
注目の第3クォーターは、開始1分10秒に比江島慎がこの試合初得点をマーク。マイケル・パーカー、富樫に得点を許すも、比江島の個人技、桜木のアシストが冴えて残り3分45秒時点で66-50。同3分2秒に比江島が自身のミスから3つ目のファウルを犯しベンチへ下がったが、桜木を起点にそこから9点を積みあげ、12点差で最後の10分間へ。
しかし、第4クォーター序盤は一変して千葉のペース。開始早々に失点すると、富樫に6本目の3ポイントを決められ6点差まで詰め寄られる。比江島のドライブもレオ・ライオンズのブロックショットに阻まれ、開始3分55秒時点で80-76とされた。それでも、直後に比江島が意地のバスケットカウントを決めて持ち直し、試合終了残り3分15秒には橋本竜馬の3ポイントが決まり12点リードに戻す。最後はエドワーズが5ファウルで退場となると、同24秒に比江島の3ポイントで102点目を記録し、18点差で第1戦のリベンジを果たした。
最終的に一度もリードを渡すことなく快勝した三河は、千葉の倍近くとなる計40リバウンドを記録。その内、オフェンスリバウンドも16本奪って相手の速攻を抑えた。試合後、鈴木貴美一ヘッドコーチは「昨日は千葉さんのいい部分を全て出させてしまいオフェンスのテンポも遅かったので、今日はしっかりシュートで終わることとアーリーオフェンスを狙いました。それが結果的にリバウンドとスコアにつながった」と勝因を述べた。
三河は、コートニー・シムズに変わり先発に抜擢されたバッツが計16得点17リバウンドと活躍し勝利に大きく貢献。これについて鈴木HCはこう話す。
「今日は負けられないし2敗するわけにはいかなかったので、ギャビン(エドワーズ)対策としてシムズではなくギャビンに慣れているバッツをスタートにしました」
また、計28得点を与えた富樫についても「『孤立させてパスを出させなければ、やられてもいい』という指示をした」と涼しげな表情を見せた。指揮官のシナリオどおりとなった第2戦。それでも最後は「次のゲームはこうはいかない」と気を引き締め、会見場を後にした。
【試合結果】
千葉ジェッツ 102-84 シーホース三河(@船橋アリーナ)
千葉|23|14|26|21|=84
三河|29|19|27|27|=102
文=小沼克年