4月20日に行われた栃木ブレックス戦で89-61と大勝を収めた川崎ブレイブサンダース。今季の対戦成績を3勝2敗とリードしただけでなく、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」に向けて大きく弾みをつける会心の勝利だった。
スタッツを見ると、この試合は絶対的得点源のニック・ファジーカスが19得点と、今季の平均得点を下回っている。その不足分をカバーしたのは20得点の辻直人と17得点の篠山竜青。その中で篠山は、司令塔としてはリーグ内でも屈指の得点力が持ち味であり、シーズン序盤は2ケタ得点の試合が続いた。日本代表での活動も並行していた状況で、特に2月以降はその得点力にやや陰りも見えていたが、この試合も含めた最近6試合のうち4試合で2ケタをクリア。篠山自身も「少しずつコンディションが上がってきている実感はある。数字の部分でも貢献したいので、残り試合もパフォーマンスを上げてしっかり得点を狙っていきたい」と意欲を見せた。また、コンディションのみならず、試合に臨む精神面でも篠山は非常にいい状態を保っている様子。「チームとしてディフェンスもオフェンスも厚みが出てきている感じがあるので、明日の試合もどういう展開になるか楽しみだし、チームがどこまで成長できるかというところを楽しみにしながらやれています」と、チャンピオンシップに向けて手応えも感じているようだ。
栃木と戦う第29節は「KAWASAKI RED HOT DAY」と銘打ち、川崎市とどろきアリーナのホーム色をより強く押しだす企画を実施。この試合は4497人の大観衆が集まり、LEDライト等を使った演出がチームを後押しした。北卓也ヘッドコーチも「テンションが上がるエンターテイメントでワクワクした」と語っていたが、篠山もホーム感がさらに高まったアリーナにプロクラブとしての成長を実感したという。
「Bリーグになって2年目で、応援の一体感や演出も含めて、本当にとどろきアリーナが成長している実感がある。クラブとして大きくなっている部分を見せたいという気持ちが強くて、今日はいい雰囲気でできたと思います。CSに向けてチームとしても個人としても勢いを出すために、レギュラーシーズンの終わり方はすごく大事。ホームで戦う残り3試合は選手だけじゃなくチーム全体で、ファンも含めてみんなで大きな渦を作っていきたい」
ホームで受ける応援で篠山の得点力にもさらに磨きがかかるとなれば、川崎は昨季以上の強さで他チームの前に立ちはだかることになりそうだ。
文=吉川哲彦