あと1つ負けると「B1 残留プレーオフ 2017-18」出場が決まってしまう横浜ビー・コルセアーズにとって、第30節はレギュラーシーズン最後のホームゲーム。「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」進出に近づいている名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎え撃つ戦いは、両者の気迫がぶつかり合う熱戦となった。
4月27日の第1戦は名古屋Dのジャスティン・バーレルの豪快なダンクで幕を開ける。横浜はウィリアム・マクドナルドが積極的にシュートを打っていくが、安藤周人の2本の3ポイントなどで名古屋Dが先行する展開。横浜は苦しみながらも満田丈太郎が外角シュートを立て続けに決め、残り1分余りで17-17と追いつく。しかしその後はミスが出て、17-21と名古屋Dにリードを許す。
互いにミスも目立った第1クォーターから、先に立て直したのは名古屋D。ジェロウム・ティルマンの3ポイントなどでリードを広げる名古屋Dに対し、横浜はハシーム・サビート・マンカがオフェンスリバウンドをもぎ取るものの、やはりミスが出てセカンドチャンスをものにできない。しかし名古屋Dもシュートの精度が落ち始め、前半は34-39と名古屋Dがリードをわずか1点広げるにとどまった。
第3クォーターは互いにターンオーバーが少ない中、横浜が少しずつ差を縮めていく。田渡凌の連続得点で同点に追いつくと、そこからはクロスゲームに移行。サビートのバスケットカウントが飛びだした横浜が55-53とリードを奪い、勝負の第4クォーターに突入した。
安藤が開始1分20秒の間に3本のドライブを決めて名古屋Dが波に乗りかけたのも束の間、ドライブで復帰後初得点を挙げた主将の湊谷安玲久司朱がさらにフリースローと3ポイントで得点を重ね、アリーナのボルテージを上げる。そこから再び拮抗した状態が続くが、ミスが再発し始めた横浜に対して名古屋Dは残り1分6秒からバーレルが3本連続シュート成功で5点をリード。ファウルゲームに打って出る横浜を振りきり、名古屋Dが71-77でチャンピオンシップ進出に一歩前進。横浜は2季連続となる残留プレーオフ出場が確定した。
ただ、チャンピオンシップ争いの佳境にある名古屋Dを相手に一歩も引かなかった試合内容に、尺野将太ヘッドコーチも「田渡と満田、若い2人が戦力になるところを改めてアピールしてくれた。アレク(湊谷)というウチの強みの1つも戻ってきたので、残り4試合は成長しながら戦いたい」と手応えを感じていた。再び横浜文化体育館に戻ってくる残留プレーオフは、横浜の進化を証明する戦いになる。
文=吉川哲彦