名古屋ダイヤモンドドルフィンズが連勝で一足早くB1リーグ第30節を終え、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」進出を狙う新潟アルビレックスBBは1つの負けも許されなくなった。シティホールプラザアオーレ長岡で三遠ネオフェニックスと対戦した4月28日の第1戦を20点差で勝利を収め、迎えた第2戦。ここで新潟が見せたのは、18シーズンにわたって培ってきた“ホームの力”だった。
4点を先制された新潟は、五十嵐圭の連続3ポイントでリードを奪うと、ダバンテ・ガードナーがローポストを攻めてリズムをつかむ。ラモント・ハミルトンの連続得点でリードを7点まで広げるが、ウェンデル・ホワイトにドライブと3ポイントを許し、21-24と逆転された。
第2クォーター早々に今村佳太の3ポイントで追いついたが、その後、再びホワイトに続けてアタックされ6点ビハインド。鵜澤潤が積極的に得点に絡んで食い下がるが、再三好機を演出する川嶋勇人のゲームメークに手を焼き、前半を39-41で終えた。
第3クォーターは新潟が追いかけてもその都度三遠が取り返し、新潟としてはもどかしい展開。果敢にアタックしながらもフィニッシュしきれないケースが続いて一時7点差がつくが、粘り強く攻め続けて三遠のファウルを誘い、フリースローで加点。60-61の1点差として最後の10分間に勝負を賭ける。
その第4クォーターも新潟は我慢を強いられ、オフィシャルタイムアウトの時点で9点ビハインド。しかし、我慢し続けてきた新潟がここから猛反撃。五十嵐のバスケットカウントに続いて、ガードナーも2度のバスケットカウントを奪う。残り1分34秒に挙げた今村の3ポイントでついに逆転に成功するが、三遠もホワイトのバスケットカウントで再逆転。一瞬も目が離せない展開の中、ガードナーがローポストアタックを2本ねじこんで3点リードを奪うと、ラスト20秒の相手オフェンスをしのぎきり、84-81でタイムアップ。新潟の価値ある1勝に、4335人が詰めかけたアリーナは熱狂に包まれた。
この試合、アリーナは前半から頻繁にディフェンス時の音を止め、ディフェンスコールをブースターに委ねた。庄司和広ヘッドコーチが「お客様に勝たせてもらった。“ホームの力”に感謝しています」と語ったとおり、最大の勝因はブースターの地鳴りのような大歓声と言っても過言ではない。
次節の富山グラウジーズ戦は今季最後のホームゲーム。新潟は大逆転CS進出へ“ホームの力”を最大限に活かすだろう。
文=吉川哲彦