西地区王者、琉球ゴールデンキングスが早くも窮地に追いこまれた。
5月12日、本拠地の沖縄市体育館に名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎え撃った「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」クォーターファイナル第1戦は、試合序盤から相手にペースを握られる。コートを広く使った素早いパス回しや、中外を使い分けた相手オフェンスに翻ろうされ、第1クォーター開始4分1秒に岸本隆一のアシストから古川孝敏がチーム初のフィールドゴールを記録。生命線の3ポイントシュートも、8本中7本がリングに嫌われた。
15-22で迎えた続く第2クォーターは、開始2分52秒の時点で15点ビハインド。その差を埋めようと積極的に攻めこんだが、焦りからか前半のフィールドゴール成功率は33.3パーセントと苦しんだ。
わずかに点差を広げられて突入した最後の10分間は、終盤に点差を1ケタに戻すと、相手のフリースローミスもあり、残り7秒にブラウンの3ポイントで2点差。会場のボルテージが最高潮に達する中、最後のポゼッションでシュートが外れ、69-71で屈した。
試合後の記者会見に登場した佐々宜央ヘッドコーチは開口一番「非常に残念」。レギュラーシーズンでB1最小失点(4064点)を記録し、オフェンス力のある名古屋Dを71点に抑えた、自慢のディフェンスには一定の評価を口にしたが、試合の入り方を課題に挙げた。
「第1クォーターの入りが硬く、そこでゲームのトーンをセットされた。ジャスティン・バーレルにシュートを決められるなど、相手は1対1のタフショットが入っている状況が多くて。逆にこっち(琉球)はなかなかシュートが入らなくて」
3本の3ポイントを含む15得点をマークした司令塔の岸本も、指揮官と同じように最初10分間の内容について言及。「シュートを打てていないわけではなかった」と話した上で、ペイントエリアへのアタック不足、相手にタフショットを許して速い展開に持ちこめなかったことを反省した。
また、自身もコートに立っていた試合終了間際のプレーは、「たらればを言っても仕方ないが、自分で勝負したかった」と明かし、次のように続けた。
「悔しさを明日にぶつけられたら。(チームとしては)原点に戻って、激しいディフェンスからディフェンスリバウンドを獲得することを徹底する。オフェンスでは3ポイントを打つまでの過程を状況判断していきたい」
もっとも、琉球の選手たちには「ファン」という心強い支えがある。岸本はコートを後にする際に多くの励ましの声を掛けてもらったようで、「僕が少し落ちこんでいる状況でも、ファンの方たちは一番に切り替えていた。大事なものを気づかされた。助けられるってこういうことなんだなと」
「プレーで喜んでもらえる、応援して良かったと思ってもらえるように、危機感を持って、激しくやっていきたい」。ファン、ブースター、沖縄県民の期待を背負い、まずは“第3試合”に持ちこみたいところだ。