6月1日、大田区総合体育館にて「B.LEAGUE TRYOUT 2018」が行われた。
トライアウトに参加した100人にとってはBリーグ2018-19シーズンに向けた挑戦の機会であり、各クラブにとっては選手獲得の機会となる。実際、会場にクラブの指揮官やコーチ陣などが訪れていた。
午前中は、NBAドラフトコンバインを参考にしたファンダメンタルテストを実施。ドリブルやパス、シュートといったスキルはもちろん、跳躍力、スピード、俊敏性、持久力の測定が行われた。
午後の部を前に、Bリーグの大河正明チェアマンが参加者へあいさつ。「Bリーグは2シーズン目を終え、B1だけでなくB2もお客さんが増えてきました。お客さんが増えるということは、それだけ世の中から注目されるということです」と話し、「皆さんもチャレンジすることで、プロに入るチャンスがあります。もしもダメだった場合、指導者になるなどバスケットに関わってもらえたらと思います。若しい、失敗を恐れずにチャレンジしてください。人生は一発勝負です」と呼び掛けた。
14チームに分けられて行われたスクリメージでは、各チームにプロ志望コーチが入って指導。試合前に戦術やプレースタイルを確認し合い、試合中には「ナイスプレー」、「ボックスアウト」、「ファウルをするな」などと積極的に声を掛けていた。選手たちは各々の強みを見せつけようと奮闘。豪快なダンクやブロックショットも飛びだした。
対象が2019年3月31日において満30歳以下だったため、かつてBリーグのクラブでプレーした選手のほか、現役大学生なども参加。その中で、最年少の15歳の姿があった。アメリカのIMGアカデミーに進学する田中力と同じU15横浜ビー・コルセアーズ出身の15歳ケイン・ロバーツは、横須賀米軍基地内のキニック・ハイスクールに通う183センチ73キロのシューティングガード。この日は年上選手との対戦ということもあったのか、ボールを触る機会が決して多いとは言えず。しかし、身体能力の高さやボールハンドリングの巧みさなどを時折見せ、選抜20人に入って最終の試合を戦った。
ハーフということもあり不慣れな日本語で「まずまず」と、トライアウトの感想を語ったロバーツ。持ち味はドライブで、目標とする選手はカイリー・アービング(ボストン・セルティックス)だという。将来の夢を聞くと、「Bリーグ、NBAなどプロバスケットボール選手になりたい」と抱負を口にした。
全日程終了後、Bリーグ運営本部強化育成部の塚本鋼平氏は参加者に向け「これからも努力して、自分の夢を捨てないでください。未来のBリーグを作るのはあなたたちです」と期待を込めた。
今後は1月に、22歳以下を対象としたプロジェクト「B.DREAM」を実施予定。将来のBリーグを背負う選手の誕生に期待したい。