10月17日、「B.LEAGUE EARLY CUP 2018 KANTO」決勝カードでもあり、新旧王者対決でもあるアルバルク東京vs栃木ブレックスの一戦が、A東京のホーム、アリーナ立川立飛で行われた。
「FIBA Asia Champions Cup 2018」から続く強行日程もある中、開幕4連勝と昨季王者の貫禄を見せるA東京だが、14日のシーホース三河戦で控えポイントガードの小島元基が負傷。左大腿四頭筋筋挫傷で全治約3~4週間程度の診断を受けるアクシデントが発生し、エースの田中大貴もベンチから戦況を見守った。疲労困憊の昨季王者に対し、初代王者の栃木も無傷の4連勝。ライアン・ロシターとジェフ・ギブスの両外国籍選手は今シーズンも健在だ。
試合は延長戦までもつれこむ白熱した展開となったが、A東京が74-79で敗れ、開幕からの連勝は「4」でストップ。A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチが「栃木は本当にいいバスケットをしていた。今日は一つひとつのポゼッション(攻撃権)が重要になるタフな試合だった」と語り、栃木の安齋竜三HCが「難しく、我慢の試合。ケガ人がいる中でも遂行力のあるチームだと改めて思った」とエールを送ったとおり、意地と意地がぶつかり合う好ゲームとなった。
しかし、「もちろん、勝つチャンスはいくつかあったが、活かしきれなかった」と指揮官が悔しさをにじませたように、第4クォーター最終版、勝利をほぼ手中に収めていたのはA東京だった。
第4クォーター最後のポゼッションを握ったのはA東京。69-69の同点の場面で、昨季の新人王で日本代表にも名を連ねる馬場雄大がラストプレーを任された。エース不在の中、ここまで9得点と控え目だったが、ゲームハイの9アシストを挙げるなどチームをけん引。背番号6はゴールへ果敢にドライブを仕掛けると、残り2秒でファウルを誘い、2本のフリースローを獲得する。1本でも入れておけば勝利というシチュエーションで、2本とも失敗。そのままオーバータイムに入り、チームは逆転負けを喫した。
キャリアを通じて、勝負を左右するプレーを託されたのは初めてだったという馬場。意外な気もするが、筑波大学時代では試合に競るシチュエーションが少なく、A東京では主に田中がその役割を担うことが多いためだろう。
「(外した時は)正直なところ“無”でした。何も考えられないというか……。ファウルをもらって安心した。自分の甘さが出てしまった。自分のせいで負けたとしか思えない」
チームでも日本代表でも次世代を担う若きホープが、この悔しさを糧に成長できるか。今回の敗戦を、ただの負けとするのか、分水嶺とするかは本人次第だ。