信州ブレイブウォリアーズの初優勝で幕を閉じた3シーズン目のB2リーグ。5月5日にことぶきアリーナ千曲で行われた信州vs群馬クレインサンダーズの「B2 PLAYOFFS 2018-19」ファイナル第2戦にBリーグの大河正明チェアマンが来場し、試合観戦とともに表彰式でのプレゼンターを務めた。
試合後に「今までのB2ファイナルの中で一番良かったのではないか。勝ったら昇格という条件がない中でも、お互いがプロとしての意地やプライドを見せてくれた」と感想を述べた大河チェアマン。
ファイナルに進出した2チームはB1ライセンスが交付されず、来シーズンも再度B1昇格を目指して戦いを繰り広げる。信州に対しては「石川(海斗)選手も言っていたけど、信州は今シーズンに関して財務とアリーナの問題があってB1ライセンスを獲得できなかった。それが昇格への壁となった形だけど、ある意味ではB1ライセンスへの道筋を今回の優勝で選手たちが勝ち取ったと感じています。これだけ選手ががんばった中で長野市も5000人規模のアリーナを貸し出してくれることになったし、債務超過の問題も協力者が出てくると思っています」とポジティブな言葉を残した。
敗れた群馬に対しても「本当にいいチームだったと感じています。先日、熊本(ヴォルターズ)とのセミファイナル第3戦を観戦しましたが、若手とベテランの融合がしっかりしていて平岡(富士貴)ヘッドコーチが作った傑作だったじゃないかな」とコメントを寄せた。
来シーズンに向けて、両チームへの期待感を言葉に込めた。
「今シーズンはB1に昇格できない悔しい思いをした中で、お互いにプレーオフで素晴らしい試合を展開して結果を残した。来シーズンはB1ライセンスの要件も整えながら飛躍してほしいと思います。これだけがんばっているチームを『助けてやろう』とか『支援しよう』という機運も高まってくるはず。スポーツはそういうもので、一番のコンテンツは選手であって、今日も満員のアリーナで大盛りあがりしたから開催した千曲市の経済効果の含めて大きいと思います」
そして、11日には3シーズン目の集大成であり、「新時代の頂」を懸けた戦いでもある「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」のファイナルが横浜アリーナで開催される。
「チャンピオンシップのすべてのゲームで満員になっている。これは初めてのことであって、あとは決勝だけという状況。3シーズン目になって、Bリーグもジワジワとファンが増えて、日本のスポーツ文化として定着し始めたのかなという実感はあります。これは日本代表が自力で21年ぶりのワールドカップ出場権や44年ぶりのオリンピック出場権をつかんだのも大きいですが、その根底にはBリーグで選手たちが普段からスタンダードを上げるという合言葉を元にやってきて、その成果が出たと思いますね。2015年のFIBAからの制裁解除の動きから4年経ちましたけど、『ホップ・ステップ・ジャンプ』と進化しようと考えたBリーグ第1幕が降りようとしている感じはありますが、次は令和の時代。第2幕として本格的にBリーグの時代にしたいなという強い思いを持っています」
Bリーグが令和の時代で大きなムーブメントを起こそうとしている、大河チェアマンの言葉からそう感じることができた。
文=鳴神富一