2019.05.22
Bリーグ3シーズン目の今季、B1で大躍進を見せたのが新潟アルビレックスBBなら、B2で急成長を遂げたのは信州ブレイブウォリアーズだ。5月5日の「B2 PLAYOFFS 2018-19」ファイナル第2戦は、粘る群馬クレインサンダーズを振りきって前日に続く白星。創設8シーズン目の快挙に、3223人の大観衆は大いに沸いた。
スタッツに表れているように、この試合の勝利の立役者はウェイン・マーシャルと石川海斗だ。今季のチームの武器である3ポイントがフィールドゴール試投56本のうち実に36本を占めた中、マーシャルはセンターながら4本すべて、石川は13本中5本成功。特に、前半終了間際と第4クォーター残り32秒に、いずれもオフバランスの体勢でリングを射抜いて見せた石川に関しては神がかりですらあった。他に栗原ルイスの5本、三ツ井利也の4本、アンソニー・マクヘンリーの1本を合わせて計19本の3ポイントが炸裂。今季の特徴を表すという点で、信州らしい試合であったことは間違いない。
忘れてはならないのが、bjリーグ時代の琉球ゴールデンキングスで4度の優勝を経験しているマクヘンリーの存在。昨季からチームに勝者のメンタリティーを注入してきたマクヘンリーいわく、今季は選手の遂行力が大きく向上したとのことだ。
「昨季は大事な場面で遂行力が低くて接戦を落としてしまうことが多かったが、それが今季は少なかった。僕自身も、今回はB2得点王のトーマス・ケネディを守るという(勝久マイケル)ヘッドコーチの要求に対してベストを尽くしたつもりだ」
また、信州の優勝決定により、今季限りでの引退を表明していた齋藤崇人の現役最後の試合となった。この試合の出場はなかったが、チームの8年の歴史をすべて知る齋藤にとってはこの上ないハッピーエンドだった。
「どんなに負けていても見捨てることなく寄り添ってくれるブースターの皆さんがいて、こうして僕たちが成績を残すことでさらに応援してもらえる環境になったことがうれしい。新潟でも4年プレーしましたが、ここには8年もいることができて、少しでも『昔こんな選手がいたんだよ』と言ってもらえたらいいなと思います。今後のことは決まっていませんが、信州は僕にとって特別なチーム。どこにいても、心の片隅に置きながら見守っていきます」
地元からの愛着に強さも備わった信州。その快進撃は、引き続きB2の舞台で戦う来季もどんどんパワーアップしていくことだろう。
文=吉川哲彦
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