「第86回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」のファイナルラウンド準々決勝が1月10日に行われ、第1試合はデンソーアイリスと山梨クィーンビーズが対戦した。
試合は高さを生かした攻めで序盤から畳みかけたデンソーが主導権を握る。後半も攻撃の手を緩めないデンソーに対して山梨はディフェンスから活路を見出そうとしたものの、最後は49―74で敗退した。
「私たちの方がフリースローやイージーシュートを落としていたのが大きかったなと思います」と敗因を語ったのは山梨の若原愛美。それでも、Wリーグで12月28日、29日と対戦した時と比べ、「前回よりも抑えられたところはあったので、負けたけれど、これからにつながる試合だったかなと思います」とも語った。
若原自身、前半こそシュートに苦しんだものの、後半は「前半に外のシュートが入らなかったので、後半はリングにアタックしようとハーフタイムで切り替えました」と奮起。果敢にドライブから得点を奪い、試合では7得点6リバウンドをマークした。
トップリーグ1年目の若原は、ここまでの戦いを振り返り「高さと強さを感じるのと、バスケットに対する熱量や姿勢が違うとも感じます。トップレベルの人と戦っていく中でそういったものを盗んでいき、生かしていければいいなと思います」と言う。
だが、熱量では若原も負けていない。「そうですね、そこを負けたら勝てるところがないので」と言うように、試合では体の強さと豊富な運動量を生かし、攻防においてタフに戦う姿が多く見られる。
今は仕事とバスケットを両立しながら日々研鑽を磨いているところ。「仕事を頼まれた時にパッとやらないと、他の人も忙しいので、もう一回教えてもらうことはできない。その辺は適応しながらやっています」と、勤務先の銀行での業務をする中で身に付いたのは“適応力”だとも教えてくれた。
加えて、「職場の方も応援してくれていて、すごく声を掛けてくださいます。地域の方の応援が力になっているので充実しています」と笑顔も見せた。
山梨の“元気印”である若原。最後は「後半戦はプレーオフ進出に向けて負けられない戦いになると思うので、個人の課題としてはシュート力を上げること。(リーグ再開となる2月末までの)1か月間で準備して、一つでも多く勝ち星を得て、プレーオフ進出に貢献できるようにしたいです」と爽やかに語り、会場を後にした。
文=田島早苗