NBAファイナルの勝者は「やっぱりウォリアーズだと思います」
栃木ブレックスの比江島慎が、5月31日に渋谷ストリームホールで行われたバスケットボールファンイベント「NBA FINALS 2019 PUBLIC VIEWING PARTY presented by Rakuten TV」に、ゲストとして登場。
ゴールデンステイト・ウォリアーズとトロント・ラプターズによる「NBAファイナル2019」第1戦のパブリックビューイングのオープニングトークと前半戦で、比江島は篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)と共に会場のファンや出演者たちとの時間を過ごすと、初来日したオールスターガード、ケンバ・ウォーカー(シャーロット・ホーネッツ)と共にメディアセッションを行った。
今年のファイナル初戦はホームのスコシアバンク・アリーナで戦ったラプターズがウォリアーズに118-109で勝利を収めたのだが、比江島は「やっぱりウォリアーズが優勝するんじゃないかと思います。経験が違いますし、KD(ケビン・デュラント/右ふくらはぎの肉離れのため欠場中)が戻ればさらにレベルアップします。ウエスト決勝ではKDがいなくてもすばらしいプレーをしていました」と予想。
ポートランド・トレイルブレイザーズとのウエスタン・カンファレンス・ファイナルで、ウォリアーズはデュラントとデマーカス・カズンズ不在ながら4戦無敗のスウィープ突破。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンというチームの基盤を中心に見事な戦いぶりを見せていた。
ブレッツと栃木でプレーした比江島「すばらしいシーズンを送ることができた」
千葉ジェッツとの「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」セミファイナル第2戦に敗れたことで、今シーズンを終えた比江島は「人生の中でも内容の濃い1年だったと思います」と切り出した。
昨年栃木と契約を結んだ比江島は、オーストラリアとニュージーランドのチームで構成されるNBLのブリスベン・ブレッツの選手として今季の開幕を迎えた。「移籍して、新しいチームへとなじむ難しさだったり、オーストラリアではうまくいかなかったですけど、そこで得るものもありました。それをしっかり代表にも活かせて、ワールドカップ(の出場権)もしっかりとつかむことができたと思います」とコメント。
日本代表のスコアラーとして、今年8月末から中国で行われる「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」(以降、W杯)出場へ大きく貢献した比江島。今年1月中旬からは栃木という新たな環境に身を置いたことで「ディフェンスだったり、チームワークだったり、違った知識だったり、今シーズンはいろいろと得るものがあったと思います。すばらしいシーズンを送ることができたのかなと感じています」と総括した。
その後、6月21日(現地時間20日)に行われる「NBAドラフト2019」にアーリーエントリーした八村塁(ゴンザガ大学3年)、NBAとGリーグでプレーしている渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ2way契約)について聞かれた比江島は、2人についてこう語っていた。
「八村塁選手は、僕らがW杯予選のがけっぷちの中で参加してきてくれて、オーストラリアを倒したりと、本当にすばらしい実力の持ち主です。明るい性格ですし、ムードメーカーとしても日本のチームを明るくしてくれたと思います。彼がドラフト指名されるのか、という点は非常に楽しみです。彼がNBA入りすることで日本の中でNBAがまた広まってくれたり、バスケットの盛り上がりがもっと高くなると思うので。渡邊選手は練習が終わってもシューティングをしたりと、本当に練習熱心です。彼には恵まれた身体能力があり、ウイングスパンも長いです。来年、まだどうなるかはわからないですけど、また活躍する姿を見れたらいいなと思ってます」。
「ハイレベルな選手とやることで得るものがある」とキャンプへ向けて意気込む
栃木残留となった比江島も、6月中旬にテキサス州ダラスで行われるダラス・マーベリックスのミニキャンプに招待されて参加することを表明。このキャンプは7月にラスベガスで行われるサマーリーグのロースター選考を主な目的として行われる。期間中にスカウトやコーチ陣から高評価を得ることができれば、比江島の今後のキャリアを大きく変えるきっかけになるかもしれない。
とはいえ、このキャンプで比江島が目を見張る活躍をすることができるかどうかは現時点で誰にも分からない。本人も「非常に厳しいチャレンジになると思います」と口にしていた。
それでも、「W杯を前に、レベルの高い選手たちとやることによって、また自分の中で得るものがあると思います。目の前にチャンスがあるのであれば、それをしっかりつかみ取ることができるよう、全力で頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。
5日に渡米予定の比江島は、自らに厳しいチャレンジを課した。ミニキャンプで得るであろう新たな経験は、この男をステップアップさせると大いに期待したい。
文=秋山裕之