9月15日、サンロッカーズ渋谷は船橋アリーナで行われた「B.LEAGUE EARLY CUP 2019 KANTO」準決勝でアルバルク東京と対戦し、最終スコア69-77で敗れた。
第3クォーターではディフェンスが機能し、相手を8得点に抑えて逆転に成功した。しかし、試合後に伊佐勉ヘッドコーチが「これまで積みあげてきた差が出た」と振り返ったように、最終クォーターはこれまで何度も修羅場をくぐってきたA東京が自力で勝り、終盤にリードを奪われる形となった。
シューティングガードの関野剛平も「相手は競った展開での耐え方というか、勝ち方ができていた。その差で負けたと思います」と、Bリーグ2連覇中の王者を称える。それでも、開幕前にA東京の強さを改めて肌で感じられたことは、レギュラーシーズンも同地区でしのぎを削るSR渋谷にとって「この経験はプラスになる」(関野)。
伊佐HCは、昨シーズンよりもディフェンスの意識を選手たちに植え付け、フロントコートからプレッシャーをかけ続けるよう指示を出している。「そういうことができる選手に来てもらった」とも話しており、今季、レバンガ北海道からSR渋谷に移籍してきた関野もその1人だ。
183センチながらフィジカルと機動力を兼ね備える関野は、14日の川崎ブレイブサンダース戦で10得点、A東京戦では第3クォーターに6得点を記録して計9得点をマークするなど、コンスタントに得点も奪える。だが、「ディフェンスの部分ではレバンガの時よりも求められています。僕にとっては嬉しいですし、がんばらなければいけないと思っています」と、新天地ではチームスタイルに掲げるディフェンスでの貢献がより求められることになる。
「外国籍選手を含めて機動力があるチームなので、これからもっと完成度が高いディフェンスができると思っています」と関野は一定の手応えを口にするも、「個人的にはまだまだですね」ときっぱり。具体的には、相手ガードに対してのプレッシャーディフェンスだという。
「主にガードの選手をマークするようと言われていますが、ただマークに付いているだけでプレッシャーがかかっていないというか……。相手は普通にボールをキープできているので、そこを一歩でも引かせられようにしたいですし、気を抜いたら取られるな、と思われるようなディフェンスをしたいです」
脚力を活かしたディフェンスで相手のミスを誘発し、そこからさらに走って得点につなげる——。
今シーズン、SR渋谷がこの展開をどれだけ作れるかどうかのカギは、25歳の関野が握っている。
文=小沼克年