大河正明チェアマンが6月30日付で辞任の意向を発表、後任は千葉ジェッツ代表取締役会長の島田慎二氏

初代チェアマンとして発足当初からBリーグを支える大河氏[写真]=B.LEAGUE

 5月26日、Bリーグの大河正明チェアマンが自身の去就に関するオンライン記者会見を実施。6月30日付で現職を辞任し、7月1日よりは後任として千葉ジェッツの代表取締役会長を務める島田慎二氏を新たなチェアマンとして迎える予定であることを明かした。6月10日に行われる臨時会員総会に付議され、承認されれば16日の理事会において正式に就任が決定する。

 会見で大河チェアマンは辞任を決断した経緯を説明。もともとJリーグに所属し、長くスポーツ界に携わってきた経験から「長期政権は権力が集中したり、忖度が働いたりする。そうしたガバナンスの欠如はあってはならない」と強く思っていたという。そして昨年7月に発表していたBリーグの中期計画において、次世代構想として2026年からはリーグ形態を大きく改革する方針を掲げていた点を改めて話し、「チェアマンの任期があるので、いずれにしても2026年に自分は不在。それであれば次の若い人に準備段階から引き継ぎをしていくほうが適切だろう」と考え、今回の決断に至ったという。

 後任の選考については「私が個別に指名人事をしていくのは、スポーツ界のガバナンス改革に反する」という考えのもと、後任候補者推薦の意見を中立的な立場から挙げるためにワーキンググループを立ち上げた。そのグループによって推薦されたのが島田氏であったという。

次期チェアマンの島田氏[写真]=B.LEAGUE

 現在49歳の島田氏は、これまで千葉ジェッツの代表取締役社長やBリーグ副理事長などを歴任。現在は千葉ジェッツの代表取締役会長のほか、一般社団法人日本トップリーグ連携機構理事や全日本テコンドー協会の副会長なども務めている。

 島田氏を推薦したワーキンググループの座長である野宮拓氏は、チェアマンの期待要件は「ビジョナリーリーダーであること、戦略的リーダー・構造改革推進者であること、ナショナルクライアントに向き合える経営者であること」の3つであることを説明し、当初はその中でも「ナショナルクライアントに向き合える経営者であること」を重視して数人の候補者を選出したと話した。しかしその後、新型コロナウイルスの影響が予想を大きく上回り拡大し、バスケットボールの競技運営のレギュレーションを大きく変更する必要が発生した。そのため後任は競技に精通している人材とすることに方向転換し、結果として島田氏が選ばれた。

 bjリーグ時代に千葉ジェッツの社長に就任し、経営を劇的に改善した島田氏の経営手腕や実績は「申し分ない」と野宮氏。加えて島田氏がBリーグ理事、副理事長として理事会に参加してきた経験から「リーグの経営にもある程度精通している」として、「島田氏はチェアマン期待要件の3つを充足していると考えられる」と推薦理由を話した。

 その後行われた島田氏とのヒアリングにおいて、経営の継続性・連続性の観点からも問題ないと判断したという。さまざまな活動を行っている島田氏だが、チェアマンの業務に専念するため「あまりリソースを割かなくてよいもの以外は、兼職を解消していただくことを確約していただきました」と野宮氏は説明。現在務めている千葉ジェッツの代表取締役会長も6月30日をもって退任するという。

記者会見はオンラインにて行われた

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