B1第22節、大阪エヴェッサは富山県総合体育センターで富山グラウジーズと対戦し、113-101、88-83と連勝した。富山は前節まで3連勝、ホーム8連勝と好調だったが、大阪が自慢の攻撃陣でねじ伏せた。大阪のヘッドコーチ代行を務める竹野明倫アシスタントコーチは、bjリーグの元スター選手で富山との対戦経験も豊富。bjリーグを代表する指揮官だった浜口炎HCが率いる富山に、アウェーで連勝したことに感慨深げだった。
第1戦は橋本拓哉が34得点で攻撃をけん引
第1戦、大阪は第1クォーター終盤に25-23と勝ち越した後、たびたび同点にされるものの逆転は許さず。第2クォーター中盤に46-44とリードしてからは、富山に追いつくことを許さなかった。富山に第4クォーター中盤に5点ビハインドにまで追い上げられたものの、その後7点を連取した大阪が勝負を決めている。
大阪はフィールドゴール成功率59・5パーセントを記録。これは今シーズンの平均48.2パーセント(2月14日現在)を大きく上回る。3ポイントシュートも23回中10回成功(43.5パーセント)と好調だった。ジョシュ・ハレルソンが8分45秒しかコートに立てず、第3クォーター途中でファウルアウトしたものの、橋本拓哉が34得点、ディージェイ・ニュービルが19得点10アシストと、チームをけん引した。
この日、10分以上出場した大阪の選手7人は、いずれも50~60パーセント台のFG成功率を残しており、まさにどこからでも点が取れた。富山もジョシュア・スミスがFG成功率90.9パーセントでチーム最多の25点を挙げた。チームとしてもFG成功率54.0パーセントは好成績だが、大阪の後塵を拝した。
スミスを抑えたインサイド陣を竹野HC代行は称賛
第2戦は富山に第2クォーター中盤で10点のリードを奪われたが、ここから大阪が反撃に出る。25-35から42-35と、17点連取で試合をひっくり返した。45-39で開始した後半、点差を縮められても3点のリードを常に保ち、あわてるそぶりを見せることなく逃げ切った。
ニュービルが両チーム最多の30得点で、第2戦の主役となっている。13得点の橋本はFG成功率27.3パーセントと、富山による徹底マークに苦しめられた。橋本の総試投数11は、1戦目の17に比べて少なく、竹野HC代行は「チームでボールを回そうと、ハーフタイムに話した結果」と、富山に的を絞らせず。また、第1戦はファウルトラブルに悩まされたが「前日と同じファウルをさせないよう、選手らに説明しました。ただ、スミス選手への対応は変えていません」とし、第2戦でスミスを11得点、FG成功率30パーセントに抑えたインサイド陣の守備を讃えた。
bjリーグで富山が戦力強化し始めた2010年以降、竹野HC代行の所属チームは富山のアウェー戦で3勝3敗と五分だった。現役引退後、西宮ストークスのACとなった2017-18シーズン、西宮は富山県総合体育センターで富山に2連敗している。また、巧みな采配を誇る浜口HCのチームと長年、対峙してきた竹野HC代行は、富山でのアウェー戦2連勝を果たした後、「この体育館で、浜口コーチと自分がコーチとして戦うなんて…」と感嘆していた。
第2戦で、富山の阿部友和が通算500試合出場を達成。35歳の阿部は「通過点だと思う。40歳までプレーしたい」と意気込む。阿部と竹野HC代行は福岡県生まれの同い年であり、小学校時代から対戦を重ねてきた。大東文化大4年時はチームメートとして関東大学選手権優勝などを果たしている。今シーズンケガを克服した同級生の節目の試合に立ち会った竹野HC代行は、「後からメッセージを送ります」と相好を崩した。
文=横田直