悔しさと手応えを感じた河村勇輝が2シーズン目のBリーグを総括

河村勇輝は16試合に出場して平均6.0得点3.4アシストを記録 [写真]=B.LEAGUE

横浜での特別指定2シーズン目はプロの壁を感じることに

「とにかく苦しくて悔しいシーズンでした」――

 東海大学からの特別指定選手として横浜ビー・コルセアーズに加入した河村勇輝の今シーズンの活動が2月28日の川崎ブレイブサンダース戦を持って終了した。それに先立ち前日27日にはメディア向けに会見が開かれ、“海賊”の一員としてプレーした2度目のBリーグ挑戦を冒頭の言葉を使って表現した。

 そう言うのも無理はないだろう。

 昨シーズンは高校生ながら三遠ネオフェニックスで特別指定選手としてインパクトを残して新人ベスト5に選出。入学した東海大学では課題に挙げていたフィジカル強化に励み、加えてバスケットIQも養った。昨冬のインカレ制覇に貢献したことを含めて、河村は着実に目標をクリアしてきたが、再びのB1では「マッチアップする選手がすごくディフェンスをタフにやってくるようになりましたし、対策をとてもされました」と辛酸をなめたという。それは本人が「ある意味プロの壁を感じるシーズンでした」と言うほどだ。

対戦チームにアジャストされながら大きな財産を得た [写真]=B.LEAGUE


 一方でガードとしてチームから求められていることに向き合い続けた。ベンチスタートながら持ち味のスピードやディフェンスで流れを変えることや、ピック&ロールのハンドラーとして攻撃を組み立てるなど、自分の良さを短い活動期間でチームの中で生かすことに腐心している。1月27日の千葉ジェッツ戦後には「昨年と違って、スタッツに残っていないのですが、たくさんチームとコミュニケーションを取りながら、チームとして自分のやるべき役割というものを全うできていると感じています」と手応えを語っていた。

 そして最終戦を前に、改めてその姿勢について尋ねてみると、力強く次のように振り返った。

「カイル・ミリングヘッドコーチは特にポイントガードの役割を明確にしていて、アウトサイド陣や、外国籍選手をしっかりと生かすようなスタイルを望んでいました。自分自身もそこにフォーカスを置きながらプレーすることが、チームの勝利に貢献できると思っています。自分のプレースタイル(を表現する)というよりは、ヘッドコーチに求められてることを忠実に遂行できるポイントガードが一流だと考えているので、その期待に応えたい一心で今シーズンはプレーしました」

たくさんの宿題を抱えて東海大に帰還

 スタッツに目を向ければ平均得点(12.6点→6.0点)や3ポイントシュート成功率(37.3パーセント→20.5パーセント)は昨シーズンより成績を落としている。それでも試合を思い返せば、フィジカルを鍛えた河村のディフェンスが流れを変えるきっかけになり、オフェンスではパトリック・アウダをはじめとした外国籍選手とのピック&ロールがビーコルの武器として機能させていた。プロの壁を感じ、16試合の出場で6勝止まりだったことに悔しさは残るが、将来の日本代表ポイントガードを目指す19歳にとって、海賊で経験した荒波は大きな財産になった。

 今回の挑戦を通して「自分のプレースタイルの弱みと強みを相手に理解されている」と感じた河村は、3度目のBリーグ挑戦に向けて「対策された上を行くような選手になって戻ってきたい」とレベルアップを宣言する。そのためにも「ポイントガードとしてのゲームコントロール」や「シュート精度」、「シュートに行くまでの過程ですごく苦しんでいる」と、クリアするべき具体的な課題を明確にした。

 そして海賊として最後の会見に臨んだ28日、多くのブースターやファンのエールが集まった寄せ書きを受け取ったことについて聞いた。パワーアップしてBリーグに帰ってくる姿を誓い、河村勇輝は東海大学で2年目のシーズンに挑む。

「昨日(27日)初めて知ったので、すごくうれしい気持ちで一杯です。でも自分はブースターやファンの皆さんの期待に応えられるプレーや結果を残せていないことに関しては、すごく悔しい気持ちも一杯です。だからこそ、また成長した姿でBリーグに戻ってくることがビーコルのブースターや、たくさんのファンの方に対するひとつの恩返しだと。また1年間、頑張っていきたいと思います」

2月28日の最終日、ファン・ブースターからの寄せ書きに河村は感謝のコメントを残した [写真]=B.LEAGUE


文=大橋裕之
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