広島ドラゴンフライズは15日、2021−22シーズンのロスターが確定したと発表した。
B1初挑戦となった今シーズンは、9勝46敗で西地区最下位とB1の厚い壁に阻まれた広島。2年目の来シーズンは上位進出を狙うべく、大型補強に打って出た。
ヘッドコーチには、今シーズン横浜ビー・コルセアーズを率いたカイル・ミリング氏を招聘した。広島の岡崎修司ゼネラルマネージャーは「自分の仕事に徹する『遂行力』を持っているため、チームに新たな文化を作り出すことができる」とその狙いを話す。
さらに、選手では日本代表に選出されている辻直人(前川崎ブレイブサンダース)を筆頭に、今シーズン得点王に輝いたニック・メイヨ(前レバンガ北海道)、ゴール下で存在感を放つチャールズ・ジャクソン(前サンロッカーズ渋谷)ら実力者を獲得。加えて、新人賞ベスト5を受賞した寺嶋良(前京都ハンナリーズ)や強豪・川崎で経験を積んだ青木保憲(前川崎)、ポイントガードへの挑戦で新境地を開いた船生誠也(前琉球ゴールデンキングス)と有望株も揃えた。
センターのポジションは、残留したグレゴリー・エチェニケに加えてジャクソンと重量級選手を2人そろえたが、「お互いの負担を軽減することが可能となるため、コートに立った際にはより激しくプレーでき、両名ともパフォーマンスが向上してくるはず」と共存起用する考えだ。また、メイヨについては「味方に生かされるプレーがうまく、パワーフォワードとしての新たな攻撃オプションの核となっていく」と今シーズンに続いて得点源としての活躍を期待した。
パワーフォワードやセンターを務める選手を3名揃えたため、昨年日本国籍を取得したトーマス・ケネディはスモールフォワードでの起用を想定しているようだ。「トーマス・ケネディ選手がウイングの選手としてプレーすることが可能になるため、高い得点能力を発揮することができ、ビッグラインナップの組み合わせを活用することでゲームを優位に進めていくことも可能となります」(岡崎GM)
また、今シーズンキャプテンを務めた朝山正悟やアイザイア・マーフィーに加え、辻や船生がそろったウイング・シューター陣について岡崎GMは「非常に厚みを増す編成ができた」とコメント。辻には「得点源としての活躍だけでなく、ボールを扱えるハンドラーとして、アシストも得意であるため、他の選手の良いところを引き出すこともできる」(岡崎GM)とマルチな活躍を期待し、船生には「ウイングの選手としては非常に能力が高く、ディフェンスやオフェンスの組み立てなど、さまざまな場面でチームを支える活躍が期待できる」と評価した。
チームの要であるポイントガードには寺嶋、青木、柳川と若い選手がそろった。「タイプの異なるポイントガードがそれぞれの良さを発揮することでチームに厚みを出すことができる」と三者三様のパフォーマンスを望み、「リーグを代表する選手になっていくと考えており、今後のさらなる成長にも期待している」と話した。
各ポジションに実力者を加え、B1上位チームにも引けを取らないラインナップをそろえた広島。ミリング氏が率いる『新生広島ドラゴンフライズ』がどこまで躍進できるのか期待が高まっているが、岡崎GMは「『決してあきらめることなく、粘り強く戦い続ける』ことでB1のトップクラブへと駆け上がってまいります」と決意を新たにした。