2018.07.26

インハイ男子注目選手(5)黒川虎徹(東海大学付属諏訪)「“本当のリーダーシップ”を備える2年生ガード」

指揮官からの期待も大きい黒川 [写真]=河野大輔(写真は2017年のウインターカップ)
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

8月2日から8月7日にかけて愛知県の一宮市、小牧市、名古屋市で行われる「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」。『バスケットボールキング』では、今大会の男子注目選手8人をピックアップした。

■男子注目選手(5)黒川虎徹(2年/東海大学付属諏訪高校/長野県)

 関係者からの評価は高いものの、なかなか突き抜けた結果が出ず、重苦しい時を過ごしている東海大諏訪。そんな現状を打破し、1つ上のレベルに進むカギとなりそうなのが、2年生ガードの黒川虎徹だ。

 入野貴幸コーチは、当初の彼の印象をこう振り返っている。

「得点が取れる、スピードがあるというガードはたくさんいますが、彼は誰もが持っているものではない『本当のリーダーシップ』を備えていました」

 熱く仲間を鼓舞するというタイプではない。淡々と、飄々とプレーしているのに、気がつけばチームとゲームを支配している。そんな天性の力があるのだという。メンタルの浮き沈みがなく、指導者に怒られる前に自分で問題を解決する力があるのも大きな魅力だ。

司令塔としての素質は十分 [写真]=河野大輔

 コートで注目してもらいたいのは裏を突くプレー。素知らぬ顔で、周りをあっと言わせるような選択をやってのける。チームの柱である北村孝太(3年)や同級生に引きあげられるようにして、自分の中の情熱や喜びを外に出せるようにもなってきた。チームリーダーとして順調に成長中だ。

 フィジカルの強化やシュート力の向上など、課題はたくさんあるが、入野コーチは「困った時は虎徹」と言えるような存在になってほしいと期待をかける。この夏、1試合でも多くの経験を積んで、成長の糧としてもらいたい。

文=青木美帆

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