インターハイ王者として「Softbankウインターカップ平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」に臨んだ開志国際高校(高校総体1/新潟県)。同校初のウインターカップは3回戦で桜丘高校(愛知県)に75-89で敗れ、わずか2試合で大会を去ることとなった。
「切り替えて、次の練習からしっかり3年生の思いも背負い、インターハイとウインターカップの2冠を達成したいです」
敗戦後、一息ついたあとにそう口にしたのは、1年生でスターティングファイブを担ったジョーンズ大翔(たいが)だ。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つジョーンズは、183センチながら87キロというフィジカルを兼ねそろえるシューティングガード。軸がブレないジャンプショットを武器に高い得点能力を発揮し、しっかりと速攻にも顔を出すスタミナもある。資料などには中学時代にジュニアオールスターを経験した実績がある、と記載されているが、本人いわく「出てないです。中学は埼玉県で1位だったけど、関東大会1回戦で負けた」。好きな選手は、中学時代までポイントガードでプレーしていたこともありヒューストン・ロケッツのクリス・ポール。「プレーが安定していて、自分も足が速い方ではないので、緩急をつけて相手を抜いたり、判断がいいのでそういうところを真似したい」というのが理由だ。
「入部した時からスタメンで、途中7番目くらいに落ちて、インターハイからまたスタメンに戻りました」というジョーンズ。自身初の全国大会となった今夏のインターハイでは、計5試合中4試合で2ケタ得点を記録し初優勝に貢献した。ウインターカップでも初戦の正智深谷高校(埼玉県)戦で17得点、桜丘との試合では12得点を挙げたが、相手には今大会の得点王・富永啓生(3年)がいた。
計45点を献上した富永のプレーを目の当たりにし、「自分たちもいいバスケットできたんですけど、相手が本当にすごかったです」と素直な感想を述べた1年生シューティングガードは、自身の出来についても「シュートは確率良く決められたんですけど、今まで自分がやってきたのは流れの中からのジャンプシュートだったり、ドリブルの回数を少なく得点取ることだったんです。でも今日は何回もドリブルしてターンオーバーも3本くらい(実際は2)あって、今までやってきたことがうまく出せなかったです」と悔やんだ。
小池文哉や小栗瑛哉、和田蓮太郎ら3年生が抜ける開志国際は今後、ジョーンズがチームの浮沈を握るエースにならなければならないだろう。
「苦しい展開でチームを勝たせられるような選手になりたい」
「ディフェンス力と自分の力で点が取れないところ」と課題ははっきりしている。この1年で栄光も屈辱も味わった1年生が、再び開志国際を全国優勝へ導けるか。ジョーンズのさらなる成長に期待したい。
文=小沼克年