2018.12.26

姉の応援以来のウインターカップで頂点を見据える開志国際の小池文哉

シャンソン化粧品でプレーする小池遥を姉に持つ小池文哉 [写真]=新井賢一
フリーライター

「初戦だったので非常に怖かった。何があるかわからないので。それでも選手たちがよくがんばってくれて、よく乗り越えてくれました」と、「SoftBankウインターカップ2018 平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の初戦を突破して安堵の表情を見せたのは初出場の開志国際高校(高校総体1/新潟県)の富樫英樹コーチ。

 といっても、開志国際は特異なチームで、初出場ながら今年のインターハイでは優勝を果たしているチームである。

 創部5年目。これまでインターハイは2回の出場を果たしたものの、ウインターカップでは、県内のライバルである帝京長岡の前に出場はならなかった。

 しかし今年、インターハイを制したことで、優勝と準優勝チームに与えられるウインターカップの出場権を得て、今大会、初出場に至ったのだ。

 指揮を執る富樫コーチは、5年前までは中学の指導にあたり、本丸中学校(新潟県)時代には全国中学大会(全中)を2度優勝した指揮官。自身でも初めてとなる冬の戦いに、「私自身がなかなか寒い中で燃えてこなかった。中学は冬の全国大会はないので。30年近く体に染みついたものがあるんですね(笑)」と、富樫コーチは取材陣にリップサービス。だが、その言葉とは裏腹に「国体(3回戦敗退)と(ウインターカップの)新潟県予選での敗戦が目を覚まさせてくれました」とも語る。出場権は得ていたものの、ウインターカップ予選で帝京長岡に敗れたことがチームにとって大きな転機に。特に3年生たちの目の色が変わったようだ。

 初戦では6人が2ケタ得点。正智深谷高校(埼玉県)を相手に101-79と快勝。キャプテンの小池文哉は、「インターハイとは違う会場の雰囲気。人も多く緊張する場面もあったのですが、自分たちのやることは変わらないので、リバウンド、ルーズボール、ディフェンスをみんなで徹底してやりました。

小池は12得点をマーク [写真]=新井賢一

 試合前もみんな笑顔で、誰が出てもやることは変わらないというようなことを話しました」と、試合を振り返った。

 実は小池、選手での出場は初めてだが、ウインターカップの会場には、大阪薫英女学院高校(大阪府)で活躍した5つ上の姉、遥(現シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)の応援で来たことがあったという。

 その姉からは、「初戦が大事だよ」とアドバイスをもらったとのことで、「姉は3年生の時にベスト8で終わったので、それは絶対に越えたいという思いがあります」と語る。さらには「(開志国際の)1期生、2期生の思いもあるので絶対に優勝して恩返しをしたいです」と、夏に続いての頂点を見据えていた。

文=田島早苗

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