2018.12.25

チームを引っ張った梅木千夏が聖カタリナ学園で学んだこと

聖カタリナ学園のエースとしてチームをけん引した梅木千夏 [写真]=大澤智子
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 聖カタリナ学園高校(愛媛県)は昨年、16年ぶりにウインターカップの出場権を失った。エースで、今年のキャプテンでもある梅木千夏は「昨年負けた時は本当に悔しくて、悔しくて、普通の日々の生活でさえ頭の中でずっと悔しい思いばかりがよぎっていました」と振り返る。今年の「SoftBankウインターカップ2018 平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の愛媛県予選でも、それがトラウマのように立ち上ってきたと認める。

「でも絶対に同じことは繰り返したくない。負けたことを一度も頭から離さずに、強い気持ちだけを持って一からやり直してきました」

 果たして2年ぶりに出場した「SoftBankウインターカップ2018」では初戦を突破し、3回戦では津幡高校(石川県)と相まみえた。

 結論から書けば、聖カタリナ学園は58-68で敗れた。ハードなディフェンスと、そこから繰り出されるトランジションオフェンス、ハーフコートでも内外バランスのよい攻撃を仕掛けてくる津幡に最後までリズムを作れなかった。いや、梅木を中心に反撃する時間帯もあったが、それも長くは続かなかった。梅木の高校バスケットは完敗でその幕を下した。

 2年前の広島インターハイで鮮烈なデビューを果たし、以来ずっとカタリナのエースとして、切れ味鋭いドライブを武器にチームを引っ張ってきた梅木。昨冬のような大きな悔しさを味わい、最後も悔しい負けで終わったが、聖カタリナ学園で過ごした3年間は決して無駄ではない。

「全国大会なんて出たこともない無名の中学校からカタリナに入学して、自分のドライブを磨いてもらいました。身長も小さいからドライブだけではやっていけないと教わって、3ポイントシュートの大切さとミドルシュートの正確さを学びました。またカタリナではピボットの練習をする時に重心の位置まで細かく指導されるんです。そうすることでカタリナの先輩たちも全国の舞台で戦ってきたし、小さくでも戦えることを私に教えてくれたのはカタリナでした」

聖カタリナ学園では「3ポイントシュートの大切さとミドルシュートの正確さを学びました」という


 昨冬の悔しさを忘れることなく、チームを再びウインターカップ出場に導いた梅木のことだ。3年間で学んだことも、今日の悔しさも、次のステージに向けての大きな糧にするはずだ。

文=三上太

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