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武蔵野の森総合スポーツプラザにおいて、「SoftBankウインターカップ2018 平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が開催される。全国高等学校総合体育大会(インターハイ)、国民体育大会(国体)、そしてウインターカップを高校バスケ界の3大タイトルとしているが、ウインターカップは最も注目度が高い大会でもある。そんな“真の年間チャンピオン”を決する冬の祭典を前に、このウインターカップから世界へと羽ばたいてほしいネクストスター4人をピックアップした。
【日本バスケ界のネクストスター③】
奥山理々嘉 八雲学園高校3年(東京都)/180センチ/PF
今回紹介するのは東京都代表・八雲学園高校の奥山理々嘉。180センチながら、持ち前のシュート力でどこからでもリングを射抜くことができる世代屈指のポイントゲッターだ。昨年のウインターカップでは、62得点をマークして女子の1試合最多得点記録を更新。それだけでなく合計得点(207)、リバウンド(86)、フリースロー成功数(43)、ブロックショット(20)の4部門で大会1位の成績を残し、その名を全国に轟かせた。1年次からエースを務めてきた奥山も、全国優勝へのチャレンジは残すところあと1回。「八雲へ恩返しを」と強い意志を持つ彼女に、今大会のかける思いを聞いた。
インタビュー=小沼克年
――インターハイでは準々決勝で桜花学園高校(愛知県)に48−74という大差で敗れました。そこから今大会に向けて、どのようなことをチームで意識してレベルアップを図ってきましたか?
奥山 (インターハイの時は)全体的に力が足りてなかったですね。なので、もう一度自分たちの原点に帰りました。全員でディフェンスをがんばることだとか、走ることとか。こんなに力が足りてないんだ、ということに気づいて1から考え直しました。本当に優勝を目指していたんですけど、そういう大きなきっかけをもらった大会でもありました。
――ご自身の強みは何ですか?
奥山 オフェンスのバリエーション、プレーの幅が広いというのが一番の武器だと思っています。大きくても走れたり、3ポイントや外のシュートも得意という部分が自分のストロングポイントかなと。個人的にもオールラウンドにプレーした方が楽しいです。
――高木(優子)コーチはどんなコーチですか?
奥山 うーん。厳しさの中に優しさを秘めた人ですね。普段は笑って話してたりとか、すごく気さくな優しい先生なんですけど、コートに入ったらめちゃめちゃ怖い(笑)。でも、それは自分のたちのために厳しくしていると思うし、先生も自分たちも一緒に勝ちたいからそう言ってくださるような人なので、そういう意味では厳しさの中に優しさのある人だなっていうのはすごく思います。
――八雲学園は奥山選手だけでなく、周りの選手も力があるなと試合を見ていて感じます。ご自身のほかに注目してほしい選手はいますか?
奥山 正直言ってみんなに注目してほしいです。それぞれの選手にいいところがたくさんあって本当に力があります。だからこそ八雲は強いのかなって。去年のオフェンスは自分がメインで、そこに周りが合わせるプレーが多かったんですけど、今年は一人ひとりが積極的に1対1を仕掛けたりとか、力も伸びてきたのでその結果が点数にも表れてますね。
――4月に行われたフル代表候補の強化合宿で得たものは?
奥山 (ヘッドコーチの)トム・ホーバスさんが「シュートがとてもいい」って褒めてくださいました。だけど「3ポイントの確率を上げていきなさい」とも言われたんです。あの時はまだ3ポイントが“打てる”って感じだったんですけど、今は3ポイントが“入る”シューターになりたいです。やっぱり実業団の人たちはシュートがめちゃめちゃ入るんですよ。宮澤(夕貴/JX-ENEOSサンフラワーズ)さんとかも自主練でやってるからこそあんなに入るというのは近くで見てわかったことなので、自分はまだ足りないんだなって改めて意識はしましたね。
――8月の「第18回アジア競技大会(夏季大会)」では3x3代表の一員として銀メダルを獲得しました。3x3にチャレンジして収穫や課題はありましたか?
奥山 3x3はコートの割合と人数が減るのでスペーシングであったり、自分自身の技術やシュートの精度が求められると感じました。本当にフィジカルも強いですし、5人制でいう外回りのプレーをやっていたので、「3x3行ってから体も強くなったし変わったね」って言われることは増えましたね。新しいことに挑戦できたのは良かったですし、楽しかったです。
――昨年のウインターカップでは、62得点を挙げて女子の1試合最多得点記録を更新しました。今年は記録更新を期待する声もあると思いますが、ご自身としては狙っていますか?
奥山 いや、正直狙おうとは思ってないです(笑)。あの試合(徳山商工高校との3回戦)はハイスコアのゲームで、仲間がいいパスをたくさんしてくれたからあの結果が出たと思っています。今年はやっぱり優勝したいので、自分がディフェンスをがんばって勝てるならそれでもいいかなと。だけど、自分の役割である点数をたくさん取ってチームが勝てるならば何点取ってもいいかなとも思います。
――3年生にもなり、自分が“高校ナンバーワンプレイヤー”と意識はありますか?
奥山 それはウインターカップで結果を残してからですね。もしそう言っていただけているならば、それに見合うようなプレーや結果で期待に応えたいとは思います。でも、自分自身は、まだまだだと思っているのでそうは思わないです。チームを優勝に導けるような選手がやっぱりナンバーワンだと思うので、優勝してなりたいと思います。
――八雲学園としては地元・東京でウインターカップが開催されることは大きいですか?
奥山 そうですね。八雲は吹奏楽とか色んな部活の子が応援に来てくれるんですよ。もうすっごい励みになります! 去年はそれが自分の力になってがんばれましたし、大きい体育館で八雲の応援が響いて、その中でプレーできることは本当に幸せだなと思いました。今年は武蔵野の森(総合スポーツプラザ)でやりますけど、また来てくれるみたいなのでホームでできるのかなって思ってます。
――将来の夢は何ですか?
奥山 将来、日本代表になってオリンピックで活躍するのが目標ですね。2020年は今の自分の実力に対して本当に時間がないと思っています。でも、そのために今までがんばってきたので、チャンスがあれば2020年も2024年もオリンピックに出たいです。年は関係ないし、力をつければ日本のためになると思うので自分の努力次第かなって思いますね。どんな形であってもまた日の丸を背負いたいです。
――改めて、高校最後の大会に向けて意気込みをお願いします。
奥山 ウインターカップは自分にとって最後の大会になります。今まで応援してくれる人とか、教えてくださった先生たちに恩返しできるのは最後なので、目標である日本一を叶えてたくさんの方々に恩返ししたいと思います。がんばります!
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【日本バスケ界のネクストスター①】今野紀花(聖和学園)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20181214/121563.html)
【日本バスケ界のネクストスター②】河村勇輝(福岡第一)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20181215/121681.html)
【日本バスケ界のネクストスター④】富永啓生(桜丘)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20181218/122561.html)
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ウインターカップ2018 特設ページ
(https://basketballking.jp/wintercup2018)