精華女子が苦しみながらも九州大会連覇、惜しくも優勝を逃した小林「本当に悔しい……」

準決勝、決勝と接戦をものにした精華女子

 6月22日と23日、沖縄県にて「令和元年度 第72回全九州高等学校バスケットボール競技大会」が開催。女子は福岡県1位の精華女子高校が2年連続の優勝を果たした。

 1、2回戦は危なげなく勝ち進んだ精華女子だったが、大会2日目の準決勝と決勝は接戦となった。特に準決勝の延岡学園高校(宮崎県2位)戦では、193センチのムボムボ・ムロロ・ファーロンに苦しめられ第4クォーターに入っても追いかける展開に。

 しかし、試合終了残り5分あたりからオールコートプレスを仕掛けて相手のミスを誘発させ、残り約2分で64-64の同点に追いつく。すると、樋口鈴乃が貴重な3ポイント、計22得点を挙げた中園陽菜乃も続いてわずかに抜けだし、最終スコア69-67で競り合いをものにした。

精華女子に敗れた延岡学園は3位で大会を終えた

 決勝戦の相手は、初戦から順当に勝ちあがってきた小林高校(宮崎県1位)。両校は3月の九州大会決勝以来の対戦となり、その時は精華女子が95-71で快勝を収めている。

 今回の再戦では、前半、オールコートでプレッシャーでかけてくる小林のディフェンスを樋口、三浦舞華、齋藤風香のガード陣で難なく突破してリードを保った。しかし、後半に入るとターンオーバーが目立ち始め点差が詰まる。さらには小林のフェスターガード・ヤヤ・アマンドラにバスケットカウント、老山花歩に3ポイントと3本のフリースローを許し、第3クォーター終了時点で60-61と試合をひっくり返された。

 最終クォーター開始早々、連覇が懸かる精華女子は持ち味のトランジションバスケで息を吹き返す。三浦の3ポイント、中園の速攻が決まると、樋口の好アシストも光り約3分間で11-0のランに成功。その後は追いすがる相手を樋口、三浦を中心に振りきり、最終スコア80-72で勝利を収めた。

スピードに乗った速いバスケットを展開する精華女子の三浦、樋口、齋藤(左から)

「1試合目(準決勝)にほとんど休めなかったので特にスタミナが心配だったんですけど、思ったより走ってくれた。突き放した時は全部走ったプレーだったので、それはうちの強みが出せて良かったなと思います」

 試合後、そう安堵した精華女子の大上晴司コーチに対し、「めっちゃ悔しいです」と小林の前村かおりコーチ。「前回はチャレンジという感じでしたけど、今回は自分たちの成長を実感できていて(優勝を)狙っていたので、本当に悔しいなと……」。

「背負いすぎて、決勝だけちょっと違う感じがした」と、前村コーチが指摘したのはキャプテンのヤヤ。決勝では26得点をマークしたヤヤ自身も「前回よりは差を詰めれたけど、絶対に勝ちきれたと思います。決勝だけ自分のプレーができなくて悔しいです」と敗戦を振り返った。

小林はこの悔しさを次の成長につなげる

 両校は1カ月後、全104チームが参加するインターハイへ出場する。精華女子は一つひとつのプレーの精度を、小林は大事な場面で決めきる決定力を磨き、開催地の鹿児島県に乗りこむ。

【大会結果】
1位:精華女子(福岡県1位)
2位:小林(宮崎県1位)
3位:延岡学園(宮崎県2位)
4位:中津北(大分県1位)

取材・文=小沼克年

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