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4月から新学期がスタートし、高校バスケ界では各チームにルーキーたちが加入。昨年の1、2年生も学年が1つ上がり、ここから本格的なチームづくりを図っていく。今回、バスケットボールキングでは2019年に注目すべき選手を独自にピックアップした。
■女子注目選手(11)樋口鈴乃(3年/精華女子/福岡県)
1年次からチームの主軸を担ってきた精華女子高校の樋口鈴乃と三浦舞華。頼れる2枚看板はいよいよ最上級生となり、「全国ベスト4」を目指す高校ラストイヤーがスタートした。
今年のチームでキャプテンに就任したのは、司令塔を務める樋口。彼女はフロアリーダーとして試合をコントロールすることはもちろんだが、オフェンスでは男子顔負けのテクニックで相手を翻弄し、内外から得点を量産できるスコアラーでもある。
速いバスケットを掲げる同校のスタイルも相まって、バックコートからスピードに乗ってボールを運ぶ樋口は、チャンスと見ればパスをさばくことなくそのままリングを射抜く。最上級生となった現在は、そのスキルと迫力が今まで以上に増しており、1対1で樋口を止められる選手は全国でもそういない。
また、同校が採用している学年別のキャプテンではなく、チーム全体のキャプテンとなった樋口は内面にも変化が現れている。
「今までは下級生だったこともあって、試合に出れていない先輩たちに恩返ししようという考えでした。だけど、キャプテンになってチームメートと話す機会が増えて、その中でいろいろな思いを持ったチームメートがいるんだなと、今まで以上に知ることができました。そこからプレーや私生活でも、もっと試合に出る責任を持ってやっていかないといけないなという気持ちになりました」
チームは1月にケガを負った三浦が復帰し、3月の「第49回全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会」や5月12日に決勝戦を迎えた「2019年度福岡県高等学校総合体育大会バスケットボール選手権大会中部ブロック予選会」でも優勝。インターハイへ向けて順調な仕上がりを見せていると言っていいだろう。
「部員全員が『このチームでバスケができて良かったな』と思える1年にできるキャプテンになりたい」
過去2年間、目標を達成できずに苦杯をなめている精華女子。“勝負の年”となる2019年は、樋口がチームをどれだけ高みへ導けるか注目だ。
文=小沼克年