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3月23日と24日の2日間、福岡県にて行われた「第49回全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会」。計8県の1位、2位チームによるトーナメント方式で行われた女子Aパートの部は、精華女子高校(福岡県1位)が決勝戦で小林高校(宮崎県2位)に勝利して今大会の頂点に立った。
試合序盤は、なかなかシュートが入らなかった精華女子だが、今大会直前にケガから復帰した三浦舞華の得点でつなぐ。小林はチームの中心であるフェスターガード・ヤヤ・アマンドラの個人技で対抗し、4点差で第1クォーターを終えた。第2クォーターに入ると、トランジションゲームを得意とする精華女子が徐々にペースをつかむ。人もボールも動いてチームプレーから得点を重ね、10点リードで試合を折り返した。
第3クォーターは開始約5分間で59-53と詰められたが、三浦の連続得点で流れを断ちきると、持ち味の速攻を立て続けに披露して一気に引き離す。74-57で第4クォーターに突入すると、この10分間も相手を上回る計21得点を記録し、最終スコア95-71で快勝。2年連続3回目の優勝を達成した。
準決勝では193センチのムボムボ・ムロロ・ファーロンと185センチのデンベル・サナタを擁する延岡学園高校(宮崎県1位)の高さにやや苦しんだものの、初戦から危なげない試合運びを見せた精華女子。今年は1年次から主力を務める樋口鈴乃と三浦が最終学年となり、勝負の年を迎える。今大会をとおしても新キャプテンに就任した樋口、ケガ明けにも関わらず決勝では29得点をマークした三浦のオフェンス力は群を抜いており、今年は全国でもこの2人を止められる選手はそういないだろうと感じさせるパフォーマンスであった。それでも、大上晴司コーチは「樋口、三浦のマークがより厳しくなる」と警戒。「そうなった時に(他の)3人でちゃんと得点できるようにするというのは毎日考えながらやっています」と現状の課題を挙げ、1年生ガードの齊藤風香、主にインサイドでプレーする木村瑞希と中園陽菜乃の成長に期待を寄せた。
惜しくも2年連続の2位で終えた小林だが、指揮を執る前村かおりコーチは「(精華女子は)気持ちのいいチームですよね。最初は相手にならないんじゃないかなと思ったんですけど、うちの子たちもがんばっていました。今はこのくらいかなと思います。ああいうチームを目指してこれからがんばらないといけないと思ってます」と、スッキリした表情で試合を振り返った。
その言葉どおり、小林も精華女子同様、高さがなく全員で走るバスケットを強みとしているチームだ。前村コーチは「今年は例年以上に選手層が厚いなとは感じてます。いつもは大体7人くらいでしか回せないんですけど、今年は10人くらいはいけそうです」と手応えを感じており、今後へ向けては「今はミスが多いので、もうちょっと精度を上げないと厳しいかなと。小さいのでピック&ロールのところは常に練習しているんですけど、精華さんみたいにシュートを決めきれるような力をつけていきたいです。あと、インサイドでもうちょっと体を張れるようになると、また面白いかなと思います」と具体的なプランを口にした。
49回目を数えた全九州大会は、男子の部でも前回大会を制した福岡第一高校(福岡県1位)が優勝。男女ともに福岡勢の2連覇という形で幕を閉じた。
文=小沼克年