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『B MY HERO!』
部員数わずか7名、チームで最も高い身長は168センチという“少数精鋭”のスモールチームが関東を制した。
2月9日、10日に千葉県で行われた「平成30年度関東高等学校バスケットボール新人大会」。女子の部は、アレセイア湘南高校(神奈川県)が決勝戦で埼玉栄高校(埼玉県)を71-58で破り初優勝を手にした。
10日の第1試合に組まれた準決勝では、接戦の末に勝利して決勝へ駒を進めた両校。優勝を懸けた一戦は、立ちあがりからアレセイア湘南が自慢の走力を活かしてペースをつかむ。オフェンスでは古木梨子、高杉真央(ともに2年)を起点とした素早いパス回しでノーマークを作り、守っては40分間「相手より2、3歩早いディフェンス」(張一コーチ)をオールコートで仕掛けてミスを誘発。リバウンドを取られてもボールを降ろしたところを狙ってスティールするなど相手を翻弄し続け、前半を38-19で終えた。
だが、後半は身長で勝る相手にインサイドを攻められ、徐々に点差が縮まっていく。第3クォーター終了時点で12点差とされ、第4クォーター序盤には連続得点を許して53-48。それでも、熊谷萌那(2年)の3ポイント、古木の個人技でリードを保つと、終盤には熊谷が立て続けに3ポイントを決めて埼玉栄を振りきった。
大会要項の“参加人数”の項目には『コーチ1名、アシスタント・コーチ1名、マネージャー1名、選手15名、合計18名以内とする』との記載がある。同大会は1、2年生のみが出場する大会だが、無論、参加した大半のチームが15名の選手をそろえてきた。しかし、前述したように7名のアレセイア湘南が繰りだすパッシングオフェンスとオールコートディフェンス、それを支える走力の前に対戦相手はリズムを崩された形となった。
優勝した本人たちも、この結果には「びっくり(笑)」(古木・高杉)と本音を吐露。1日2試合、2日間で計4試合を戦い抜いたことについては「体力的にはそこまで辛くなかった」と予想外の返事が返ってきたが、しっかりとその前には「練習に比べれば」という言葉があった。張コーチによれば日々の練習時間は1時間半程度とのことだ。
「限られた時間の中でやりこむ」(古木)
「体力では負けないように、厳しい走りの練習をしてきた」(熊谷)
「人数が少ないので回ってくるのが早い(笑)」(高杉)
「人数が少ない」ということを言い訳にぜず、質の高い練習とチームワークで旋風を巻き起こしたアレセイア湘南に、心からの拍手を送りたい。
写真・文=小沼克年