Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
2月9日、10日、味の素トレーニングセンターにおいて、『3x3女子日本代表チーム 女子日本代表候補強化合宿』が開催された。これは今年の6月にオランダで行われる『FIBA 3x3 ワールドカップ 2019』、そしてその先には公式競技として認められた2020 年東京オリンピックへ向けての強化の一環として、広く選手を集めて選手選考をはかることを目的としている。今回はレギュラーシーズンの期間中ということで、Wリーグ所属の選手の参加はなかったが、高校3年生から大学生、そして社会人でもある3x3.EXE所属のプレーヤーが集結。9日にはその練習の一部が報道陣に公開された。
公開された練習では、1対1のディフェンスのクローズアウトの仕方や、2対2の際のスクリーンに対する守り方などがトーステン・ロイブル ディレクターコーチ(以下DC)が指導にあたった。また、練習の後半にはチームを4人ずつに分けて、公式のレフリーを入れて本番さながらの練習試合が行われるなど、次第にヒートアップ。その中で、3x3の経験の多い社会人から積極的に声をかけ、アドバイスを送っていく。大学生や高校生たちは物怖じせず果敢に1対1を仕掛けるなど、参加者の積極性が目立った雰囲気の中で進んでいった。
練習後、メディア対応を行ったロイブルDCは、「若い世代のパフォーマンスにとても驚いている。日本では年長者を敬う文化があるが、ベテラン選手たちとも物怖じせずやりあう姿勢はとてもいい」と高評価を与えた。一方でベテランへの評価も高い。「年長組もいい頑張りをしていた。コンディションもフィットしていたし、誰が残るのか、どのように順位づけをしたらいいか、今のところわからない」とうれしい悲鳴をあげた。
さらに東京オリンピックへの強化に質問が及ぶと、自身が男子のU18やU16代表のヘッドコーチを務めた経験などを踏まえてコメント。「5人制のバスケでは、どうすれば世界で通用するかを模索してきたが、女子代表や男女のアンダーカテゴリーでは結果を出している。男子代表も徐々に結果が出始めてきた。日本はオフェンスでもディフェンスでもペースアップして速いゲームをすることで活路を見出した。3x3でもスピードを生かしたスタイルを作り出したい」と力を込めた。
昨年末に行われた『SoftBank ウインターカップ2018』で沸かせた選手たちが集ったこの合宿。ルイビル大学への進学が決まっている今野紀花(聖和学園高校)は腰の張りのため練習を離脱して心配されたが、大事をとっての措置だったとロイブルDCは言及した。
その今野と昨夏のアジア大会で3x3を経験している奥山理々嘉(八雲学園)は「(3x3は)5人制とは違う楽しみがあります。今日も楽しくできました」と、メディア対応でも笑顔を見せた。2年次のウインターカップで1試合62得点という女子最多記録を持つ将来性豊かなスコアラーは、「3x3では得点力が重要だと言われます。そこは自分の持ち味なので、生かしたいと思っています」と、その得意分野でもアピールをするつもりだという。「3人制でも5人制でも代表の合宿に呼んでいただければ、そこが自分の力をアップしてくれる場所なので、選ばれたら頑張ります。呼んでいただけるように、普段の練習を頑張るのみです」と、前を見据えた。
ロイブルDCは「日本の女子は色々なカテゴリーに色々な選手がいることを確認した。その中で高校生は今回初めて本格的に3x3を行ったにも関わらず、期待以上の結果を残してくれた。この年代が将来、黄金世代になるかもしれない」と、奥山や今野たちに期待を込める。3x3女子代表の強化合宿は、今後、Wリーグの選手を交えて行う予定だ。当然のことながらさらにレベルが上がっていき、代表の座を誰がつかむか、そのサバイバルレースは激化することだろう。その中で高校生たちがどんなプレーを見せてくれるか!? 今から非常に楽しみだ。
文=入江美紀雄
写真=小沼克年