8月14日から17日の期間、「第11回バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・キャンプ・アジア2019(BWBアジア)」が都内で行われた。
同キャンプは日本や韓国、フィリピン、オーストラリアなどアジア太平洋地域における17歳以下のトップ選手が集結。今回、日本の女子からは平下愛佳(桜花学園高校3年)、林真帆(岐阜女子高校3年)、荻田美(京都精華学園高校2年)が参加した。3選手は最終日のラストを飾ったオールスターゲームにも出場。参加者の中から14名のみが選抜された同ゲームにおいて、林は見事MVPに輝いた。
「しっかりと3ポイントを決めきることができたのでよかったです」と振り返ったように、林の最大の持ち味は、高確率でリングを射抜くアウトサイドシュート。岐阜女子ではシューターとして昨年から主力を務めている。
BWBアジアでもしっかりと自身の強みをアピールした林だが、鋭いドライブを仕掛けて相手を抜き去るようなタイプではない。もっとも、この課題は林自身も以前から認識している。ドライブを積極的に試みる試合もあったが、今夏のインターハイ準決勝、大阪薫英女学院高校戦を例に挙げれば、相手の徹底マークに遭い、3ポイントは約38分間の出場でわずか3本しか打たせてもらえず、成功は「0」。8得点に抑えられた。
「今回のキャンプで1対1の強さが全然ないなと……」。
改めて今後の課題を再認識できた林は、「1対1の時にすごく上手にロールターンを使っている選手がいたので、ドライブやハンドリングを磨いて1対1で突破できる力をつけていきたいと思いました」とレベルアップを誓う。また、今回のキャンプをとおして最も身に染みて感じた点は「コミュニケーション」の部分だと明かした。
「あまり言葉は通じなかったけど、他の選手たちがいつもハイタッチとか声を出して練習を盛りあげてくれました。チームに戻ったら常にみんながいい状態でプレーできるよう、いつも以上にコミュニケーションを取って雰囲気を良くしてやっていきたいです」
そう感じたのは、今年はキャプテンとしても岐阜女子を引っ張らなければならないという責任があるからだろう。ちなみに、桜花学園でキャプテンを務める平下も、キャンプを終えて同じような言葉を口にしていた。「日本人と比べて“チーム想い”というか、いつも声をかけて盛りあげてくれました」(平下)。
今回のキャンプを振り返り、「普段はできないような海外の選手と一緒にプレーできて貴重な経験ができました」と笑顔を見せた林。今年、U18の日本代表候補にも選出された世代屈指のシューターは、連覇が懸かるウインターカップまでにどんなプレーヤーに変貌するのだろうか。
文=小沼克年