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令和初のチャンピオンが決まる「令和元年度 全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」。女子決勝は、桜花学園高校(愛知県)と岐阜女子高校(岐阜県)と、5年連続の同カードとなった。
過去5年の対戦は桜花学園が4勝1敗。だが、それだけでなく同じ東海エリアに属し、東海大会でも火花を散らしている両チームは、今年度は交歓大会を含めるとすでに3回対戦しており、結果は2月の東海新人で岐阜女子が勝利したものの、3月末の全関西大会、6月の東海大会では桜花学園に軍配が上がっていた。
迎えた決勝戦、桜花学園はインサイドのオコンクゥオ・スーザン・アマカを中心に得点。これに対して岐阜女子はエスター・チカンソがファウル2つを犯してしまい、苦しい状況となる。それでも林真帆、藤田和のシュートで岐阜女子が食らい付いたのだがインサイドとアウトサイドとがバランス良く攻める桜花との間に点差が広がってしまった。
60点台での勝負と睨んでいた岐阜女子の安江満夫コーチは「守り切れませんでした。前半のエスタのファウルトラブルもあり、インサイドでやられ過ぎました」と、59-72で敗れた試合を振り返った。
また、この試合では自らのミスも多く、そこから相手の得点につながってしまうことも。「桜花学園はほとんどイージーなミスをしません。うちはミスが多すぎました」と安江コーチ。ターンオーバーの数でいえば桜花学園が15、岐阜女子は17と、2つしか変わらないのだが、5人のフロアバランスも良く、そつのない強さを見せる桜花に対してミスは命取り。ノーミスで戦うことは酷かもしれないが、それぐらいのつもりで戦わないと、今年の桜花は倒せないレベルにあるのだ。
「江村(優有)さんの調子が良く、いつもやられていた平下(愛佳)さんはそれまでと比べて止めることができていたのですが、どうしても次のところがやられてしまいました。まだまだ“個”として戦えない状況だったのだと思います。それと状況判断。止められた時の対応といったところは、むしろ桜花学園の方が早い。その辺りもまだまだですね」(安江コーチ)と、全国の決勝という舞台で対戦したからこそ、打倒・桜花に向けて取り組むべきことが改めて見えてきた。
司令塔としてリーダーとして引っ張ている藤田も「リバウンド。特にディフェンスリバウンドを取り切れなくて相手にそのままシュートを打たれてしまいました。リバウンドを取り切った方が勝てると思います。個人としては、東海大会よりはドライブも出来ていたし、周りの選手も使えていたと思いますが、最後のシュートを決め切れないと。練習をして次に対戦する時はシュートを決め切りたいです」と、語る。
今年の桜花学園は中学時代のキャリアも豊富なタレント軍団。だが、「選手層の違いやキャリア差は大きいけれど、諦めないで鍛え直していきたい。同じ高校生ですので、目標を見失わないでコツコツとやれば必ず結果は出てくると思います」と、安江コーチ。「次は強い気持ちで戦って流れを変えられたら」と、キャプテンの林真帆も言葉を詰まらせながら強い意志をのぞかせた。
選手たちからあふれ出た悔し涙。それがまた冬への原動力となる。
文=田島早苗