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8月1日、昨年のウインターカップ女王の岐阜女子高校(岐阜県)がその決勝で戦った大阪薫英女学院高校(大阪府)との「令和元年度 全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」女子準決勝へ臨んだ。
大阪薫英女学院は岐阜女子のフォワード、林真帆に福田希望がボールを持っていない時でも密着するマークするフェースガードを見えるディフェンスでスタートする。こうして相手の得点源の1つを抑える作戦に出るも、岐阜女子は決して慌てなかった。司令塔の藤田和はセンターのイベ・エスターチカンソにボールを集めて主導権を握った。
第1クォーターを18-20と1ゴール差で終えた大阪薫英女学院だが、第2クォーターに入ると岐阜女子は藤田がドライブで突破、次第にリードを広げていく展開となる。さらに堅いディフェンスで大阪薫英女学院に思い通りのオフェンスをさせず、一気にリードを12に広げて前半を折り返した。
試合後、大阪薫英女学院の安藤香織コーチは第2クォーターの攻防を悔やんだ。「クォーターごとの点数を見ると、第1クォーターは2点ビハインド、第3、4クォーターに至っては点数ではうちが上回っていました」。
確かに後半に入り、大阪薫英女学院は森岡奈菜未や福田のドライブで突破口を見出していた。さらに岐阜女子のエスターチカンソをファウルトラブルに陥らせ、ベンチに下げる時間を多くさせるなど、反撃を試みなかったわけではない。
それでも岐阜女子は要所で林や藤田が大阪薫英女学院の勢いを止め、10点ものリードを保ったまま、試合終了のブザーが鳴った。大阪薫英女学院はまたしても岐阜女子の壁を破ることはできなかった。
「ディフェンス面ではウインターカップ(決勝)の時よりも色々やって、成功していたと思います。ただ、反対に福田もマークにあい、抑えられてしまったので、得点が伸びなかった」と安藤コーチは分析。さらに「そこでインサイドの森岡にもっとやってもらいたかったが、シュートをポロポロ落としてしまって、そこが一番反省しなければいけないところかもしれません」と語った。
安藤コーチは常々「3年生が下級生を引っ張っていけるようにならないと」と、奮起を期待しているという。それを森岡自身も重々わかっており、「最後のインターハイだったのに、それができませんでした」と反省しきりだった。
それでも冬に向け、岐阜女子であり、さらには桜花学園高校(愛知県)を破らなければ、全国の頂は見えてこないのだ。
「3年生が覚悟を持って臨んでほしい。苦しい時に逃げないで、3年生が率先して立ち向かっていくチームにならなければ。下級生を支えられれば、チーム力は必ず上がると思います」
安藤コーチから3年生に与えられた課題。それを克服した時、大阪薫英女学院は一回りも二回りも強くなるはずだ。
文=入江美紀雄