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8月14日、都内某所で「第11回バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・キャンプ・アジア2019」(以降BWBアジア)の記者会見が行われた。
BWBアジアは、NBAとFIBA(国際バスケットボール連盟)による世界的なバスケットボール界の発展とコミュニティアウトリーチプログラムとして行われており、日本開催は2012年以来2度目。
今回は18の国と地域から男女計64名が参加。日本からは脇真大(岡山商科大学付属高校)、小川敦也(洛南高校)、木林優(福岡大学附属大濠高校)、山之内勇登(リベット・アカデミー)、ケイン・ロバーツ、平下愛佳(桜花学園高校)、林真帆(岐阜女子高校)、荻田美(京都精華学園高校)の計8名がこのキャンプに参加している。
会見の中で、NBA国際バスケットボール運営部門のトロイ・ジャスティスは「今回のBWBアジアでは、コート上における効率の良い動き方やスキル育成用のドリルを行うと共に、シュート力やスキルを競い合ったり、5対5の実戦なども開催されます。さらに、コミュニケーションにフォーカスした日常生活におけるスキルに関するセミナーなどを行う予定となっており、コート内外で様々な活動を行っていきます」と語った。
このキャンプには、ロビン・ロペス(ミルウォーキー・バックス)とケボン・ルーニー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)という2人の現役NBA選手が参加。そしてオーランド・マジックでアシスタントコーチ(AC)を務めるパット・ディレイニー、ブライアン・ゲイツ(ミネソタ・ティンバーウルブズAC)、アントニオ・ラング(クリーブランド・キャバリアーズAC)、ウェス・アンセルドJr.(デンバー・ナゲッツAC)、サム・カセール(元ヒューストン・ロケッツほか/現ロサンゼルス・クリッパーズAC)がコーチ陣に名を連ねた。
また、元WNBA選手としてアシュリー・バトル(元ニューヨーク・リバティほか)、アリソン・フィースター(元シャーロット・スティングほか)、ヨランダ・モア(元ヒューストン・コメッツほか)もコーチ陣に加わっており、宇都宮ブレックスの田臥勇太(元フェニックス・サンズ)、ジェフ・タナカ(シカゴ・ブルズのアスレティックトレーナー)、元NBAレフェリーのジョーイ・クロフォードも参加。
キャンプディレクターおよびワールド・アソシエーション・オブ・バスケットボールコーチの会長を務めるパトリック・ハントは「今回、皆様にはこのすばらしい機会を利用して、コーチ陣が持つ高いスキル、そして皆様に教えようとしてくれている気持ちを吸収して、ぜひとも持ち帰ってほしいと思っています。また、皆様には、ここにいる選手たちと交流し、話し合ってほしいと思っています。いろいろな国と地域から、さまざまなアイデアを持った人たちがこのキャンプに参加していますので、話し合うことで吸収できることがたくさんあります。ぜひこのキャンプを利用して、何か持ち帰ることができるものを見つけてほしいと思います」と参加選手たちへ語っていた。
ジャスティンがこのキャンプに参加する現役選手やコーチ陣を順に紹介していく中、最後に名前を呼ばれた田臥が登壇。「今回、コーチとしてここに来ることができ、とても光栄に思っています。この4日間で、皆さんにはぜひ楽しんでいただき、できるだけコーチ陣から教わったことを吸収してください」と選手たちへ英語で語りかけて、会見を締めた。
BWBは2001年以降、アジアだけでなく、6大陸にまたがる30か国、38都市で計60回ものキャンプを開催。129の国と地域から3,500名以上の選手たちが参加しており、計69選手がNBAのドラフト指名あるいはフリーエージェントとしてNBAチームと契約を結んでいる。
その中には昨季の最優秀躍進選手賞(MIP)に輝いたパスカル・シアカム(BWBアフリカ2012)や元オールスターセンターのマルク・ガソル(BWBヨーロッパ2003/共にトロント・ラプターズ)、ジョエル・エンビード(BWBアフリカ2011/フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)といった選手がおり、今年のドラフトで日本人としては史上初の1巡目指名(全体9位)を受けた八村塁(ワシントン・ウィザーズ/BWBグローバル2016)もそのリストに入っている。
本日から4日間に渡って行われるBWBアジアの参加選手たちがこのキャンプ期間中に多くのことを吸収し、実践していくことができれば、将来NBAあるいはWNBA入りする選手へと成長を遂げる可能性は十二分にあると言っていいだろう。
文=秋山裕之