2019.06.14
5月31日(現地時間30日)にスタートする「NBAファイナル2019」。今年は3連覇を狙う王者ゴールデンステイト・ウォリアーズと、初出場を決めたトロント・ラプターズによる激突となった。
ウォリアーズにはステフィン・カリーとクレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンというチームの基盤に、ケビン・デュラント(第1戦は欠場濃厚)、デマーカス・カズンズ(第1戦から出場の意向)といったスター選手がそろっている。
一方、ラプターズにも今年オールスターに選出されたカワイ・レナードとカイル・ラウリーに加え、元オールスターのマルク・ガソル、サージ・イバカ、ダニー・グリーンといったプレーオフ経験豊富なベテランがロースターに名を連ねている。
さらに、ラプターズにはキャリア3年目の今季、レナードに次ぐチーム第2の得点源となった期待の若手パスカル・シアカムというフォワードがいる。運動量豊富な25歳のフォワードは、攻防両面においてラプターズに不可欠な選手へと成長。
今季はレギュラーシーズンで80試合(うち先発は79試合)に出場し、平均31.9分16.9得点6.9リバウンド3.1アシストを記録。平均得点は昨季の7.3得点から2倍以上にアップしており、今季の年間最優秀躍進選手賞(MIP)では最終候補にも入った有望株だ。
積極果敢にコート上を駆け回るシアカムは、プレーオフに入っても活躍を続けている。ここまで18試合を終えて平均36.2分18.7得点7.0リバウンド2.4アシスト1.2スティールをマーク。
4月20日(同19日)に行われたオーランド・マジックとのファーストラウンド第3戦。シアカムはゲームハイの30得点に11リバウンド4アシストで勝利の立て役者になるなど、プレーオフでは9試合で20得点以上を挙げている。
そんなシアカムの比較対象とされているのがウォリアーズの万能戦士グリーン。同じパワーフォワードというポジションで、アグレッシブかつエネルギッシュにプレーする両選手は、複数の現地メディアで比較されてきた。ウォリアーズのスティーブ・カーHCも「私からすると、シアカムは若い頃のドレイモンド・グリーンのように見えるね」と『The San Francisco Chronicle』へ語っており、ファイナルの期間中も両選手を比較するような報道もあるだろう。
もっとも、シアカム自身はグリーンとの比較を快くは思っていないようだ。
『TSN Sports』でラプターズの番記者を務めるジョシュ・ローエンバーグは、シアカムがこのことについて「僕はドレイモンド・グリーン2世にはなりたくない。(成長を続けて)ニュー・パスカルになりたいんだ」と語ったと報じていた。
といっても、シアカムがグリーンのことを嫌っているわけではない。29日(同28日)に『canada.com』へ掲載された記事の中で、シアカムはグリーンについてこんな言葉を残している。
「彼は屈強な肉体を持っているけど、実にアクティブ。(コート上を)動きまわることができるし、強じんな身体を駆使して大きな選手をガードできる。またフットワークを活かして自身よりも小柄でオフェンシブな選手もガードすることができるんだ。スペシャルな選手なのは間違いないね。彼があのチームでやっていることはすごく重要だと思う。あのチームの成功において、大きな部分を占めているんじゃないかな」。
シアカムが評したとおり、グリーンはビッグマン相手にも当たり負けしない強じんな肉体を持ちつつ、ガードの選手にもスイッチして対応できるため、万能性という面ではリーグトップのディフェンダーといっても過言ではない。
ファイナルではシアカムがグリーンとマッチアップする機会が多くあると予想できるため、両者がどんな攻防を繰り広げるのか。ぜひとも注目していただきたい。
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